『ノクターナル・アニマルズ』 (2016)

 2016年、監督トム・フォード、出演エイミー・アダムス、ジェイク・ギレンホール、マイケル・シャノン他。
 小説と現実が交錯するサスペンス、あるいはひねった恋愛ドラマ、はたまた心理ドラマ。
 セレブながらどこか空疎な生活を送る主人公に送られてくる、元夫が書いた小説”夜行性動物”の原稿。
 映像化されたその小説と、現在、過去が交錯しながら進む構成。
 主人公の頭の中で映像化された小説の主人公は元夫。
 そのストーリーは凡庸ながら激烈な悲劇、映像は20世紀的。
 それになぜか没頭してしまう現在の主人公。
 一方、現在の映像は先端的な美術画廊、美しいレストラン、住宅、インテリア、とてもクールでスタイリッシュ。
 その中でなぜか疲れた表情の現在の主人公。
 何も関係がなさそうな小説と現在、双方の主人公の心理と現実が交錯するとき・・・?
 途中にこれ見よがしに挿入される”あれれ?”な場面で伏線を張り、方向を見せつつ、それでいてなお謎めいたエンディング。
 ストーリーの結末、背景、登場人物の心理など含めて、観る側の想像力によっていろんな解釈が出来るように構成されているのでしょう。
 なお冒頭のタイトルバックはちょっと正視できないキツイ映像。
 それと本編との関りがわからないのでググってみると・・・
 なるほど、美術と心理学に詳しければもっと楽しめて、解釈も違ってくるのかな?


 

posted by H.A.