『ウンベルトD』 (1952)

ウンベルトD Blu-ray
カルロ・バッティスティ
IVC,Ltd.(VC)(D)
2016-12-23


 1952年、ヴィットリオ・デ・シーカ監督。イタリアのモノクロ映画。
 三十年公務員をやっていた年金暮らしの老人が家賃滞納の為、追い出されそうになる。昔の仲間もお金を貸してくれないし、時計や本を売って全額ではないが返そうとするが断られる。
 風邪をひいて熱が出たので病院に入院して食費を浮かせようとしたら、愛犬がいなくなる。急いで保健所に探しに行ったら、殺される寸前でなんとか助けられた。
 長く住んだ部屋も改装工事されてしまい、飛び降り自殺、首つりを考えるも思いとどまる。
 家を出て、犬を預けて死のうとするが、犬を長く引き取りに来ないと保健所に行くと言われ、また思い留まる。
 公園で子供にプレゼントしようとするも子供の親に断られる。汽車に犬と一緒に飛び込もうとするも犬が逃げて失敗。
 疲れ果て木の陰に隠れた犬を松ぼっくりで遊んでいる間に幕を閉じる。
 貧困をテーマにしながら生きることを考えさせられる。
 冒頭でこの作品を父親に捧げるとテロップ。
 ある時期のチャップリンの悲哀ともまた違う独特な感覚があった。
 無駄のない古い色褪せた詩のような映画。
 なお、犬がとっても可愛いので、犬好きな人はより楽しめるかもしれません。

 
 

posted by N.N.