“Trio Libero” (2012) Andy Sheppard
Andy Sheppard (soprano, tenor sax)
Michel Benita (Double-Bass) Sebastian Rochford (Drums)
Andy Sheppard、“Movements in Colour” (2008)に続くECMでの制作作品。
とても妖しい前作のメンバーを刷新し、オーソドックスなジャズ色合いのフランス人ベーシストにイギリス人ドラマー。
サウンドもまるっきり違う色合い。
インド的な不思議なグルーヴの前作に対して、本作はジャスト、ジャズ。
但し、Ornette Coleman的なジャズ。
それを思いっきり静かにソフトにスムースにした感じでしょうか。
Charlie Haden的だけども、もっともっと柔らかい感じ、低い重心でぐんぐん前に進むベースに、静かなドラム。
サックスはいつも通りにスムース。
たっぷり余裕のある空間の中を漂うたっぷりのエコーが効いたサックスの音と、ボコボコと音を置くベース、静かに背景を作るようなドラム。
心地よさ最高。
ECMのお約束、ルバートでのスローバラードも交えつつ、不思議感たっぷりに、但し、終始明るく前向きなムードで進む音。
さらに、普通のジャズのようでどこか幻想的な雰囲気は、ECMだからこそなせる技か、百戦錬磨の名手のなせる技か。
ま、両方なのでしょう。
オーソドックスなようで不思議感たっぷり。
わかりやすいのだけども、異色。
日常と少しだけズレたような空気感と、音の響きがとても心地よい一作。
※こちらはギター入り。
posted by H.A.