“Trio Libero” (2012) Andy Sheppard

Andy Sheppard (soprano, tenor sax)
Michel Benita (Double-Bass) Sebastian Rochford (Drums)

Trio Libero
Universal Music LLC
2017-07-28


 Andy Sheppard、“Movements in Colour” (2008)に続くECMでの制作作品。
 とても妖しい前作のメンバーを刷新し、オーソドックスなジャズ色合いのフランス人ベーシストにイギリス人ドラマー。
 サウンドもまるっきり違う色合い。
 インド的な不思議なグルーヴの前作に対して、本作はジャスト、ジャズ。
 但し、Ornette Coleman的なジャズ。
 それを思いっきり静かにソフトにスムースにした感じでしょうか。
 Charlie Haden的だけども、もっともっと柔らかい感じ、低い重心でぐんぐん前に進むベースに、静かなドラム。
 サックスはいつも通りにスムース。
 たっぷり余裕のある空間の中を漂うたっぷりのエコーが効いたサックスの音と、ボコボコと音を置くベース、静かに背景を作るようなドラム。
 心地よさ最高。
 ECMのお約束、ルバートでのスローバラードも交えつつ、不思議感たっぷりに、但し、終始明るく前向きなムードで進む音。
 さらに、普通のジャズのようでどこか幻想的な雰囲気は、ECMだからこそなせる技か、百戦錬磨の名手のなせる技か。
 ま、両方なのでしょう。
 オーソドックスなようで不思議感たっぷり。
 わかりやすいのだけども、異色。
 日常と少しだけズレたような空気感と、音の響きがとても心地よい一作。

※こちらはギター入り。


posted by H.A.