“La Notte” (2010) Ketil Bjørnstad
Ketil Bjørnstad (piano)
Eivind Aarset (guitars, electronics) Arild Andersen (bass) Marilyn Mazur (drums, percussion) Anja Lechner (cello) Andy Sheppard (tenor, soprano sax)
ノルウェーのピアニストKetil Bjørnstadのライブ録音。
リーダーはクラシック色が強い人、メンバーはいろんな世代のECMオールスターズ。
チェロのAnja Lechnerのイメージが合いますが、他は少し前に“Movements in Colour” (2008)を制作したゴリゴリのジャズの人に音響系の先端ギタリストといったメンバー。
なんだかミスマッチな感じもするのですが、予想に違わず、チェロとピアノが前面にでたクラシック色と、Andy Sheppardのサックスが前面に出るジャズ色が交錯するステージ。
“夜”?と題された組曲、全8編。
例の跳ねないビートと沈痛で深刻なメロディ、チェロとピアノのDuoでのクラシカルな雰囲気からスタート。
ベースが入るとジャズなサックスにズルズルギターの激しい系コンテンポラリージャズに、妖しくフリーなパーカッション。
硬、軟、ジャズ、クラシックを織り交ぜつつ、メンバーの色合いそのままがフュージョンするアンサンブル。
妖し気な音響系ギターがさり気ない背景を作りつつのチェロとクラシカルなピアノの絡み合い、あるいは激烈Arild Andersenと優雅なAnja Lechnerの低音Duo、なんて他ではなかなか聞けないのでしょう。
全編わかりやすくてキャッチ―なメロディ、さまざまなシーンを織り込んだ映画のようにドラマチックな構成。
哀し気ですが、他の諸作よりも沈痛は低め、どこかあっけらかんとした、優しい色合い。
最後のルバートでのスローバラードも、妖しく幻想的ながら前向きなメジャーコード締め。
この人の作品にしては深刻度低め、ジャズ度強めのクラシカルコンテポラリージャズ。
気難しくなくていいなあ・・・
気難しくなくていいなあ・・・
posted by H.A.