H.A.の私的ベストアルバム30作。
不定期、気まぐれに更新します。
(2017/12/31更新)


Death and the Flower” (1974) Keith Jarrett
 1970年代のKeith Jarrett諸作は、モダンジャズ、フリージャズ、ロック、フォーク、クラシックが交錯する、最高のフュージョンミュージック。
 静かに漂うように始まり、紆余曲折、徐々にテンションを上げながらゴスペルチックな陶酔感で締める、1970年代Keith Jarrettの様式美、そのコンボ版。

Death and the Flower
Keith Jarrett
Grp Records
1994-03-15



Still Life (Talking)” (1987) Pat Metheny Group
 Pat Metheny Groupの決定盤。
 軽やかでしっとりしていてドラマチック。
 強い浮遊感とヒタヒタと迫ってくるビート、凄まじい疾走のインプロビゼーション・・・
 もっと凄いのもありますが、これが一番いいなあ。

Still Life (Talking)
Pat Metheny
Nonesuch
2006-02-06



'Round About Midnight” (1955) Miles Davis 
 モダンジャズを一作なら、これですかねえ・・・
 クールでハードボイルドでグルーヴィー。
 ジャズのカッコよさが凝縮された一作。

ROUND ABOUT MIDNIGHT
MILES DAVIS
COLUM
2009-04-03



Live At The Fillmore East (March 7, 1970) - It's About That Time” (Mar.1970) Miles Davis
 激烈、痛快、エネルギー放出型ジャズ~ファンク。
 聞いているほうの血管が切れてしまいそうな音楽。
 この期の作品はどれもサイコーなのですが、激烈Wayne Shorter参加の発掘音源をピックアップ。




Lovers” (1988) David Murray
 この人のテナーは黒い。
 ぶっとくて艶々と黒光りするような音に、サブトーンたっぷり。
 一音だけでぶっ飛ぶ強烈なバラード集。

Lovers
David Murray
Diw Records
2001-06-26




A Thousand Nights And A Night: Red Nights” (1996) Kip Hanrahan
 超絶グルーヴのコンガに、激烈ピアノ、狂気のバイオリンにあの世から聞こえてくるようなウイスパーボイス。
 とてもとても妖しいアフロキューバンジャズファンク。
 おまけに、とてもとてもオシャレ。


The Sign” (2002) Carsten Dahl
 知る人ぞ知るヨーロピアンコンテンポラリージャズピアノトリオの最高峰?
 妖しさ120%、凄まじい緊張感。
 妖しいまでに美しいピアノと超弩級に激烈なベース。
 浮遊と疾走、静謐と激情が交錯する、凄まじいピアノトリオ。

The Sign
Carsten Dahl
Stunt
2002-10-15



Rosa” (2006) Rosa Passos
 現代最高のボサノバシンガーの全編ギター弾き語り。
 優しくしっとりとした声に、少し遅れ気味に音が置かれていく柔らかなギター。
 哀しげで儚げだけども、前向きなサウダーヂ。
 静謐で穏やかな最高のボサノバ。

Rosa
Rosa Passos
Telarc
2006-04-25



Carlos Aguirre Grupo (Violeta)” (2008) Carlos Aguirre Grupo
 ドラマチックなアルゼンチン・プログレッシブ・フォルクロレリック・コンテンポラリー・ジャズ。
 美しく哀し気なメロディと繊細なピアノ、必殺のギターのユニゾン、コーラス・・・
 そして強烈な高揚感、陶酔感。
 激しくハイテンションながら、ひたすら美しい。

Carlos Aguirre Grupo (Violeta)
Carlos Aguirre Grupo
Shagrada Medra
2018-01-28



Chicken Skin Music” (1976) Ry Cooder
 これまたとてもとてもレイドバックしたアメリカンロック。
 スライド、ドブロなどなど、ルーズなギターが心地よさ最高。
 ゆるーくて、のほほんとしていて、郷愁感があって・・・
 テキサスとメキシコと南米、そしてハワイはつながっているんでしょうねえ・・・

Chicken Skin Music
Ry Cooder
Reprise / Wea
1994-10-19




・↑ best10・・・・・・・・・・・・・・・・・・


The Köln Concert” (Jan.1975) Keith Jarrett
 1970年代Keith Jarrettの様式美、そのソロピアノ版、その紛うことなき決定盤。
 美しくわかりやすい導入から、興奮と陶酔の終盤。
 映画のようなピアノミュージック。

The Koln Concert
Keith Jarrett
Ecm Records
1999-11-16



The Survivor's Suite” (1976) Keith Jarrett
 これまた1970年代Keith Jarrettの様式美、コンボ版、その決定盤はこちらでしょうか?
 沈痛で美しくてドラマチック、さらに激烈。
 沈痛度、激烈度、妖しさ、深刻さ、そして美しさ最高。

Survivor's Suite
Keith Jarrett
Ecm Records
2000-05-09




La Scala” (Feb.13.1995) Keith Jarrett
 もがきながら進むような音、徐々に形を変えながら長い長い時間を掛けて到達する、とてつもなく美しい結末・・・
 フリージャズ混じりのとっつきにくさゆえ、応用編なのかもしれませんが、その先には桃源郷が・・・
 座して聞くべき一作。
 アートです。

La Scala
Keith Jarrett
Ecm Records
2000-01-25



Cycles” (1981) David Darling
 美しいピアノ、激しいサックス、妖しげなシタール、とても哀しげなチェロ。
 フリー混じりの妖しい演奏の中に、激甘ベタベタのメロディがいくつか。
 ECMから一作を選ぶとすればこれ・・・ってなのはマニアックにすぎますか・・・?




The Way Up” (2003,2004) Pat Metheny Group
 勇壮、激烈、ドラマチックなすさまじい音楽。
 よくも、まあ、ここまで凄いジャズフュージョンミュージックがあったものです。
 ここまでくると最高のアート。
 約70分、映画を見るつもりで座して聞きましょう。

ザ・ウェイ・アップ
パット・メセニー・グループ
ワーナーミュージック・ジャパン
2005-02-09




Exotica” (1993) Kip Hanrahan
 アフロキューバンなジャズファンク。
 Don Pullenの鍵盤を中心とした最高にカッコいいトリオに妖しいささやきボイス。
 シンプルながら強烈なグルーヴ。
 とても危ないダンスミュージック。

EXOTICA
KIP HANRAHAN
ewe
2010-07-21



John Abercrombie Quartet” (Nov.1979) John Abercrombie Quartet
 強烈な浮遊感のルバートあり、疾走ありのハイテンションジャズギターカルテット。
 妖しくて美しくて、グルーヴィー。
 ギターとピアノは言わずもがな、ドラムとベースも最高の演奏。
 さらにオリジナルのジャケットが最高なんだけどなあ・・・

The First Quartet
John Abercrombie
Ecm Records
2015-12-04



Pasodoble” (2006,2007) Lars Danielsson & Leszek Możdżer
 稀代のメロディメーカーと氷のように冷たく鋭いピアノのDuo。
 懐かしくて美しいメロディ、コードに乗った、とてつもない透明感の美しい音。
 零れ落ちるような儚さと疾走の交錯がカッコいい。

PASODOBLE
Lars Danielsson & Leszek Mozdzer
Act Music + Vision
2013-03-01


Magico:Carta de Amor” (1981) Magico
 北欧、南米、アメリカのフュージョンミュージック。
 同メンバーでのちょっとキツメのスタジオ録音諸作に対して、マイルドな質感の本作。
 あの時代のハイテンションな音源ながら、サラリと聞けるのが21世紀型ECM、新しいECMマジック。
 名曲揃いに加えて、名人たち三者三様の交わるようで交わらない危ういバランスがカッコいい。

Magico-Carta De Amor
Garbarek
Ecm Records
2012-11-06



Playground” (2007) Manu Katché
 ポップなようで強い陰影、不思議な寂寥感が漂う音楽。
 BGMにもなるし、じっくり聞けば現代ヨーロッパの若手陣の凄みが見える作品。
 これだけ聞きやすくて深い作品は希少。 

Playground (Ocrd)
Manu Katche
Ecm Records
2007-09-25



Volver” (1986) Enrico Rava, Dino Saluzzi
 イタリアの巨匠とアルゼンチンの巨匠の共演。
 ハイテンションなコンテンポラリージャズ。
 ダークさとスタイリッシュさと、サウダーヂが交錯するジャズ。

Volver
Enrico Rava
Ecm Import
2001-06-19



Tribe”(2011)Enrico Rava
 イタリアのスタイリストの近年作。
 何をやってもカッコいいのですが、本作はバラードを中心としたアルバム。
 それもルバートでのスローバラードがたっぷり。
 スタイリッシュ&ハードボイルド。

Tribe
Enrico Rava
Imports
2011-11-01



Antigas Cantigas” (1999) Renato Motha, Patricia Lobato
 ブラジリアン男女Duoのとても優しいMPB。
 透明度の高い天使のような女声に優しい男声。
 音数を抑えたシンプルでゆったりとした音の流れ。
 なぜかハワイ的な楽園ムード。
 全てが弛緩してしまいそうな優しい音。

Antigas Cantigas
Renato Motha & Patricia Lobato
Sonhos & Sons Brasil
1998-11-30



De Arvores E Valsas” (2008) Andre Mehmari
 ワルツを中心とした優雅な浮遊感が全編に漂うブラジリアン・クラシカル・ジャズ&MPB。
 ボーカリストを交えた柔らかなジャズ~ポップスと、クラシック色が交錯する構成。
 全編、優雅で優しくて上品、少々の幻想と興奮を加えた絶妙のバランスの一作。

Dos ríos” (2008) Andrés Beeuwsaert
 アルゼンチンサウダーヂなコンテンポラリージャズ、あるいはジャズ寄りの現代フォルクローレ。
 ブラジル系とは少しニュアンスが違う、ゆったりとしたワルツなフォルクローレビートの浮遊感と、遠くを眺めているような郷愁感。
 幻想的なスキャットに柔らかな管楽器、そして儚げで美しいピアノの絡み合いはジワジワときます。




Naissance” (2012) François Morin
 一時期のPat Metheny Groupのサウンドを現代の感覚でよみがえらせたような音。
 ヒタヒタと迫ってくるようなビートに、南米的サウダーヂの哀しげながら前向きな空気感、郷愁感。
 強い浮遊感の音の流れの中のときおりの強烈な疾走とグルーヴ。
 繊細ながら興奮、高揚の一作。

Naissance
Francois Morin
Tratore Music Brasil
2013-02-05



"Caravanserai" (Feb-May.1972) Santana
 とても妖しげな最高のジャズフュージョン。
 しっとりした質感とヒタヒタと迫ってくるようなビートは、他のロック作品とは全く異質。
 妖しさに加えて、強烈な疾走とラテンな高揚感、さらにドラマチック。

Caravanserai
Santana
Sony
2010-06-29



"There's One in Every Crowd" (1974,1975) Eric Clapton
 とてもレイドバック(懐かしい!)したロック。
 埃っぽくてゆるーいようで、実はものすごく洗練された音。
 気楽に聞けるし、スカスカなようで骨太な演奏と繊細な歌の最高のバランス。

安息の地を求めて(紙ジャケット仕様)
エリック・クラプトン
ユニバーサル ミュージック
2016-03-23



Diamond Life” (1984) Sade
 大ヒットしたポップス・・・なんて括りは表面的。
 ポップながらダーク、オシャレなようで危険、チャラいようで深い・・・
 1980年代、スタイリッシュなブリティッシュソウルのカッコよさ、そして妖しさが凝縮された一作。

DIAMOND LIFE
SADE
EPIC
2000-11-13



posted by H.A.