“Sweet Time” (1993) Paul Bley

Paul Bley (piano)

Sweet Time
Paul Bley
Justin Time Records
1995-06-20


 Paul Bley、カナダのレーベルJust in Timeからのソロピアノ。
 気難しいECM諸作とは全く違うムード、デンマークSteeple Chase諸作に近いのかもしれませんが、そこまでモダンジャズでない、そんなバランス。
 さらに、スッキリした感じはイタリアSoul Note、フランスOwlよりも日本のTransheartに近い感じでしょうか?
 本作も名バラード演奏がてんこ盛り。
 冒頭の“Never Again”から始まり、“Turnham Bay”、“Lost Love”、“Started”、“As Beautiful As the Moon”・・・
 いつもの浮遊する音。
 崩れそうで崩れなくて、やはり崩れて、唐突に疾走する、あの美しいPaul Bleyバラード。
 それらの合間に、激しいフリージャズ、思索的で抽象的な静かなフリーインプロビゼーション、ブルース・・・が交錯する、あのPaul Bleyの世界。
 レーベルの色合いに合わせているようにも聞こえるし、あくまでマイペースなようにも聞こえます。
 あまり強い毒気や熱はなく終始スッキリしたソロ演奏は、1990年型のPaul Bleyなのかもしれませんが、要所々での理不尽な展開、スケールアウト、漂う不思議感は同じ。
 なんだかんだで“Open, to Love” (1972)の頃から変わっていなのかもしれません。
 それにしても“Lost Love”、“Started”は絶品バラ―ド。
 そんなバラード演奏だけ集めるとすごいアルバムになるんだろうなあ・・・ってな考えは野暮なのでしょうねえ・・・?
 1970年代から後の“Play Blue: Oslo Concert” (2008)まで変わらないPaul Bleyのソロピアノ、その1990年代バージョンは、とてもスッキリした音。

※こちらはデンマークSteeple Chaseの作品から。


posted by H.A.