“The Orchestrion” (2009) Pat Metheny
Pat Metheny (guitar, orchestrionics)
Pat Metheny、orchestrionicsによるソロ演奏。
ピアノ、ドラム、ベース、マリンバ、ビブラフォン、ギター、オルガン的な楽器などの自動演奏とギターとの共演。
プログラミングした自動演奏ながらあくまで生楽器の音。
デジタル臭はなく、極めて自然にグルーヴし、疾走し、漂う音。
デジタル臭はなく、極めて自然にグルーヴし、疾走し、漂う音。
ヒタヒタと迫ってくるようなビート感と、極めて複雑ながらメロディアスでときに幻想的、ドラマチックな展開はまさに一人Pat Metheny Group状態。
全五曲の各曲長尺な演奏。
冒頭の組曲“Orchestrion”は超弩級にドラマチックな一人”The Way Up” (2003-4)状態。
静かに始まり複雑な展開、目くるめくようなリズムブレイクにすさまじいユニゾン・・・などなどを経て、ラテンな疾走と高揚~沈静まで、15分を超えるなんともすさまじい演奏。
こりゃスゲーや。
バンドでの演奏であれば凄いなあ・・・ってな感じでいいのだけども、フレキシブルな楽器の絡み合い、自然なグルーヴや疾走、強烈な高揚感までを計算尽くでプログラミングし、事実上、独りで同時に演奏しているのだろうから、もはや言葉がありません。
これでもかのドラマチックさに加えて、マリンバ系の音がしっかり効いていてエスニックな感じもするし、どことなくある時計仕掛け感がノスタルジックな感じなど含めてなんとも複雑な質感。
それらを背景に弾きまくられる、いつも通りの丸い音のギターのインプロビゼーションもすさまじい限り。
名曲揃いなだけにPat Metheny Groupとしてやっていればまた違った大名作に・・・なんてことは愚かな考えなのでしょう。
おそらくは前人未到の凄い音楽、しかもそこそこポップでサラリとも聞ける音。
こりゃスゲーや。
posted by H.A.