“A Map of the World” (1999) Pat Metheny
Pat Metheny (acoustic guitars, piano, keyboards)
Gil Goldstein (orchestrator, conductor, organ) Steve Rodby (acoustic bass) Dave Samuels (percussion) and Orchestra
中心となるのはアコースティックギターとGil Goldsteinが率いる優雅で美しいオーケストラとの共演。
センチメンタルな空気感は近い時期のサントラ作品“Passaggio per Il paradiso” (1996)にも共通しますが、質感は異なります。
ナチュラルでアコースティックな一貫性のある音作り。
バラード中心ですが、後の“One Quiet Night” (2001,3)シリーズのように沈んだ感じ、静的な感じではなく、ほどよい風が吹くアメリカの大草原的な爽やか系。
“Beyond the Missouri Sky”(1996)に近い感じかもしれませんが、もっと明度、透明度が高く、優雅かつさり気ない音。
全編でアコースティックギターのシングルトーンが前面に出て、メロディもあのPat Metheny節。
他の作品と比べてマニアックな成分が薄くて、いい感じで普通な雰囲気。
他の作品と比べてマニアックな成分が薄くて、いい感じで普通な雰囲気。
優雅で洗練されたGil Goldsteinのオーケストラの音ゆえでしょうか?
アルゼンチン系、現代フォルクローレ系の作品にこの種の空気感の作品が多いのですが、共通するのは全体を漂う郷愁感。
本作はさながらAmerican Saudadeってな感じ。
景色が次々と変わっていくような音の流れ、細かく刻まれた全28曲ですが、サントラ臭はなく純音楽作品として極めて上質で心地よい音。
隠れた名作。
聞き流しても気持ちよさそうなさり気なさは、CaféのBGMに最高の音なんだろうなあ・・・
和みます。
posted by H.A.