“Solo in Mondsee” (2001) Paul Bley

Paul Bley (piano)

Solo in Mondsee (Ocrd)
Paul Bley
Ecm Records
2007-08-21


 Paul Bleyのソロピアノ、2001年、ECMでの制作。
 ECMでは“Open, to Love” (1972)以来、概ね30年振りのソロピアノアルバム。
 それを想い起こすような美しい音楽。
 Keith Jarrettのソロピアノには作り込まれたようなドラマチックさ、一ステージで起承転結を結ぼうとする意志を感じるのですが、この人の場合は断片的。
 予測不可能な音楽の流れの中に極めて美しいメロディ、展開が埋め込まれている、あるいは、逆に極めて美しいメロディが突然崩れ出すようなイメージ。
 本作もそんな色合い。
 Mondsee Variations と名付けられた10編の演奏は全て即興なのでしょう。
 が、どこかで聞いたような音の流れ、フレーズが散りばめられ、連ねられたような耳馴染みのある演奏。
 冒頭からこの人の真骨頂、たっぷりのタメを効かせながら、この世のものとは思えないような美しいメロディのスローバラード。
 そんな漂うような美しいバラード演奏が半数ほど、ビートを効いたジャズ~ブルースの香りがする演奏が半数ほど。
 いずれも徐々にイメージ変えながら、変幻自在に変わっていく音の流れ。
 徐々に、あるいは突然スケールアウトしてみたり、唐突に疾走を始めてみたり、今にも止まりそうなスローダウンがあったり、抽象的な流れ、フリージャズになってみたり・・・
 過激さは抑制され、ECM以外のレーベルでのソロピアノに近い雰囲気でしょう。
 メロディの芯が明確で抽象的な時間も短く、馴染みやすいと思います。
 耽美的で感傷的なようでクールな質感で、ECM的なコンテンポラリージャズなようで、フリージャズなようで、モダンジャズな瞬間もあったり・・・
 ECMでのこの人の作品としては、意外なほど淡々としているのかもしれません。
 穏やかで美しいPaul Bleyの一作。

※別作品から。


posted by H.A.