“Diane” (1985) Chet Baker & Paul Bley

Chet Baker (Trumpet, Vocal) Paul Bley (piano)

Diane
Chet Baker
SteepleChase
1994-05-24


 Chet Baker, Paul Bley、大御所のDuo、デンマークのSteepleChaseから。
 お二人、近い世代のようですが、ECMのPaul BleyからはChet Bakerとの共演は想像できません。
 さらに超妖しい“Fragments” (1986)に近い時期の録音。
 が、絶妙な相性、全くオーソドックスな静かなジャズ。
 スタンダードのスローバラード中心。
 ピアノはタメにタメてタメまくりながらスケールアウトした音を置いていくPaul Bleyではなく、オーソドックスに美しくジャズを弾くPaul Bley。
 それでもところどころにPaul Bley節が見え隠れし、そのさり気なさがカッコいい。
 晩年に近づきつつある時期のChet Bakerですが、クールなトランペットは往年のイメージのまま、一曲のみのボーカルも格別のクールネス。
 速いフレーズをバリバリと吹くことはありませんが、丁寧に置かれていく音、端々の抑揚は、やはり稀代のスタイリスト。
 淡々と美しいメロディが流れていく静謐な時間・・・
 美しく端正な晩年のChet BakerとジャズなPaul Bley。
 全くオーソドックスで極めて静かなジャズから漂う凄み。
 さすが、稀代のスタイリストたち。




posted by H.A.