“Lucus” (2017) Thomas Stronen,‎ Time Is a Blind Guide

Thomas Strønen (drums, percussion)
Ayumi Tanaka (piano) Ole Morten Vågan (double bass)
Håkon Aase (violin) Lucy Railton (cello)

Lucus
Thomas Stronen
Ecm Records
2018-01-19


 ノルウェーのドラマーThomas Strønenの静かなコンテンポラリージャズ。
 前作”Time Is A Blind Guide” (2015)のタイトルを冠したバンド。
 前作からパーカッションが抜け、ピアニストが日本人女性に変わっています。
 時空が歪むような弦の妖しいアンサンブルと静かなグルーヴが絡み合う、フリージャズ混じりの北欧ジャズ。
 基本的な空気感は同じですが、ここまでの作品よりもフリー度が下がったイメージでしょう。
 メロディ、コードが明確で、ビートも定常な場面が多くなっています。
 バンドが一体となって静かななうねりを作りながらヒタヒタと迫りくるようなアンサンブル。
 ベースが土台を作り、つかず離れずうねるように揺れるように旋律を奏でるバイオリンとチェロ、さらに別の周期で揺れるピアノ、自由に動くドラム・・・
 全体を通じた淡い色合い。
 その中からときおり浮かび上がるピアノ、バイオリン、チェロのシングルトーンがとても美しく響きます。
 が、その時間は束の間、また次の音のうねりへ・・・
 それらが織り重なるような繊細な音の綾。
 前作の”I Don't Wait For Anyone”のような突出した名曲はないのかもしれませんが、タイトル曲をはじめとして、概ね全編でメロディ、ビートが明解な分、全編がそんな感じ。
 明確なような曖昧なような、どこか遠い所を眺めているような非現実的な時間。
 とても静かで繊細で、それでいてハードボイルドな一作。




posted by H.A.