“Lyle Mays” (1985) Lyle Mays

Lyle Mays (piano, synthesizer, autoharp)
Bill Frisell (guitar) Marc Johnson (acoustic bass) Alejandro N. Acuña (drums) Nana Vasconcelos (percussion) Billy Drewes (alto, soprano sax)







 現代のアルゼンチン、ブラジル勢からリスペクトされているのであろう、Pat Metheny Group、Lyle Maysのリーダー作。
 “Cruces” (2012) Andrés Beeuwsaert、”As Estacoes Na Cantareira” (2015) André Mehmariなどで、さり気なくカバーされていたり、近い空気感の場面がしばしば登場します。

 Pat Metheny共同名義で“As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls”(Sep.1980)がありましたが、単独では第一作目。
 ECM最終作 ”First Circle” (1984)とGeffen移籍第一作 “Still Life (Talking) ” (1987)との間の時期。
 ECMでの録音は、Pat Metheny関連と“Home” (1979) Steve Swallow、“Later That Evening” (1982) Eberhard Weberぐらいでしょうか?
 そちら系の人たちとリーダー作品を制作していると面白かったのでしょうが、なかなかうまくいきません。
 本参加のBill Frisellも“Rambler” (1984)を制作の後、ECMから移籍した時期と思われ、そういう時代だったのでしょう。
 柔らかなビート感、あの柔らかなシンセサイザー、リリカルなピアノの音の流れは、Pat Metheny Groupのサウンド。
 複雑に展開するドラマチックな構成もこれまたPat Metheny Groupと同様。
 さらに、柔らかなサウンド、明快なようでどことなく幻想的な空気感も含めて、やはりPat Metheny Groupサウンドは、Lyle Maysサウンドでもあるのでしょう。
 それはさておき、本作、”Mirror of the Heart”のような、ただただ美しいピアノソロでの演奏や、電子楽器とアコースティックな演奏、ジャズとロック、クラシック、エスニックまでが交錯する、幻想的な情景描写のような組曲”Alaskan Suite”などの独自路線もたっぷり。
 そして、最後に収められたバラード”Close to Home”のこの上もない美しさ。
 とてもドラマチックです。
 Pat Methenyの単独リーダー諸作からすると、Groupの作品の色合いはLyle Maysの色合いが強かったのだろうなあ・・・と勝手に思っているのですが、本作を聞くとやはりそうだったような、そうでもなかったような・・・?




posted by H.A.