“Cantos Sin Dueno” (2012-2014) Agueda Garay


Águeda Garay (composer, piano)
Carlos Aguirre (piano, voice) Celina Federik (piano) María Inés López, Pablo Ascúa, Luis Medina, Rubén Paolantonio (guitar) Silvio Bisegna (accordion)
Gonzalo Carmelé (bass) Edu Bavorovsky, Gonzalo Díaz, Nahuel Ramayo (percussion, drums) Gabriela Peirano (cello)
Diego Núñez, Darío Céspedes (soprano sax) Agustina Cortés, Francisco Cecchini (alto sax) Martin Testoni (tenor sax) Guillermo Astudillo (clarinette)
Natalia Pérez, Andrea López Ibáñez, María Paula Rodríguez (voice)

Cantos Sin Dueno
Gueda Garay
Shagrada Medra


 アルゼンチンの女性作曲家、ピアニストÁgueda Garayの現代フォルクローレ作品。
 Carlos AguirreのレーベルShagrada Medraから。
 全曲オリジナル曲。
 自身のピアノ演奏は半数ほどに留まり、楽曲ごとにゲストを迎えて編成も変えていく構成。
 おそらくはクラシックの人なのでしょう。
 それらしい楽曲を間にちりばめながら、いかにもな現代フォルクローレの優し気な音の流れ、ポップでキャッチーな楽曲が交錯します。
 冒頭はとてもセンチメンタルなCarlos Aguirreのピアノの弾き語り。
 彼の曲でしょ、と思ったらリーダーの曲。
 続いてギター、アコーディオン、女性ボーカル絡み合うフォーキーな演奏から、クラシカルなピアノソロ。
 但し、演奏はゲストピアニスト。
 四曲目でようやく本人がピアノを弾きギターと女性ボーカルをフィーチャーしたバラード。
 このピアノがカッコいい。
 美しく繊細な音。
 ピコーンパコーン、ピキピキパキパキ・・・と書くと趣も何もないけども、そんな高音が舞い降りてくるような、Carlos AguirreAndre Mehmari的な音使い。
 タメもしっかり効いています。何で全部自分で弾かないんだろ?
 ・・・ってな感じの演奏が続きます。
 そして最後に収められた、静かで穏やかなサンバ調の”Agua y sal”のさり気ない哀感の素晴らしいこと・・・
 各曲の表情は異なりますが、あくまでフォーキーで前向きな、現代フォルクローレ。
 柔らかなビートと優しいメロディ、哀し気な男声女声にそのコーラスワーク、ガットギターとピアノの静かで上品な音の流れ。
 現代フォルクローレ、あるいはフォルクロレリックジャズのショーケースのようなアルバム。
 穏やかで優しい現代アルゼンチンの音。
 名作です。


 


posted by H.A.