“Luminilo” (2011) Juanjo Bartolome

Juanjo Bartolomé (voice, guitar)
Rolo Rossi (piano) Carlos Aguirre (Rhodes) Fernando Silva (bass) Diego Marizoni (voice, percussión) Diego Morini (percussión)
Claudio Bolzani (guitar, voice) Guadalupe Abero, Nicolás Spivak (voice)
Hernan Soria (violín) Magnolia (strings quartet)




 アルゼンチンのギタリスト~シンガーソングライターJuanjo Bartoloméの現代フォルクローレ。
 Quique Sinesiのお弟子さんとの話もあり、なるほど、ときおりエレキギターも交えつつの静かな音。
 中心となるのはギターと歌、コーラス。

 いくつかの楽曲でピアノ、ベース、パーカッション、ストリングスが彩りを付けていく形。
 レーベル主宰のCarlos Aguirreはエレピで二曲に参加しています。
 前面に立つボーカルは自身、“Luz de agua” (2005)のClaudio Bolzaniをはじめとして、男女含めて入れ代わり立ち代わり、いずれも儚い系。
 さらに全面で繊細なコーラスがフィーチャーされるあのスタイルですが、もっと素朴、もっと寂寥感が強い空気感。
 オリジナル曲中心の楽曲は、Carlos Aguirre調だったり、いかにも現代フォルクローレ調だったり、もっと素朴なフォーク調だったり、さまざまな表情。

 ポップな感じで始まりますが、先に進むにつれ、哀しげな表情に変わっていきます。
 多くがゆったりとしたテンポ、内省的で少し沈んだイメージ。

 繊細で儚げなCarlos Aguirreの世界なのですが、ハードボイルドで男性的、寂寥感強い系。
 あのオシャレなはずのCarlos Aguirre流コーラスが、静かに胸に迫って来るような切なさ。
 それでいてどことなくぶっきらぼうでルーズな感じがなんとも染みてきます。
 センチメンタルですが沈痛さはなく、穏やかで前向きなあのサウダージ。
 どこか遠くの懐かしい景色を眺めているような、ゆっくりと情景が遷り変わっていくような音。
 南米男の哀愁系現代フォルクローレ。
 こればっかりで恐縮なのですが、これまた名作。




posted by H.A.