“At the Village Vanguard” (1995) Paul Motian

Paul Motian (drums)
Joe Lovano (tenor saxophone) Bill Frisell (electric guitar)



 Paul Motianトリオ、ホームグラウンドであろうVillage Vanguardでのライブ録音。
 別のプロジェクト“the Electric Bebop Band” (1992)も動いている時期ですが、レギュラートリオでの円熟した演奏。
 冒頭はジャズスタンダードのスローバラード。
 あのミュージカルシリーズのそれ。
 フリーなドラムにフワフワとした強烈な浮遊感のギター、キッチリとメロディを紡いでいくサックス。
 が、二曲目からは激しいOrnette Coleman風フリージャズ。
 パタパタとフリーに叩きまくるドラムに、歪んだギュンギュンギター、サックスはオーソドックスなジャズから狂気の咆哮まで縦横無尽。
 続くは“Le Voyage” (1979)に収められていた名バラード”Folk Song for Rosie”、こちらは後に復帰するECM的な静かで幽玄な音。
 そんな楽曲が交錯する、“Motian in Tokyo” (1991)と同様、Paul Motianトリオのさまざまな色合いが濃縮されたようなステージ。
 フリーな場面ではKeith Jarrettアメリカンカルテット"Fort Yawuh" (Feb.1973)などを想い起こす場面もしばしば、漂うようなバラードでは2000年以降のECMの香りが濃厚。
 それぞれにPaul Motianの影響が強かったのだろうなあ・・・とあらためて思ったり・・・
 まだまだ名演は続きますが、ほどほどの不思議感、非日常感がクリエイティブ、強烈な浮遊感のPaul Motianサウンド。
 稀代のスタイリストの20世紀までの集大成、といった面持ちのステージの記録。




posted by H.A.