“On Broadway Volume 2” (1989) Paul Motian

Paul Motian (drums)
Joe Lovano (tenor saxophone) Bill Frisell (electric guitar) Charlie Haden (bass)

On Broadway 2
Paul Motian
Polygram Records
1990-08-21


 Paul Motianトリオのブロードウェーミュージックの第二弾。
 私的にはこのアルバムが最初に聞いたPaul Motianのリーダー作であり、Bill Frisellのギター。
 この冒頭、“Good Morning Heartache”が凄い。
 ベースレス、全編ルバートでの今にも止まりそうなスローバラード。
 聞いたことのないような強烈な浮遊感のフワフワ、ゆらゆらしたギターと微妙にズレながら並走し、あるいはカウンターをあてるサブトーンたっぷりのテナー。
 それらが前後左右に入れ替わりながら、揺れながら進む時間。
 さらに、それらと無関係なように静かにゆっくりと動くブラシ・・・
 夢の中を漂うような、周囲の景色が歪んでいくような不思議な時間、あるいは甘い毒がゆっくりと回っていくような危ない時間。
 二曲目、ベースが入りビートがキッチリ決まった“You and the Night and the Music”に変わっても、その強烈な浮遊感、クールネスは消えません。
 さらに三曲目、これまたスローバラードの“Moonlight Becomes You”の甘い毒・・・
 音楽が進むにつれ、普通にスウィンギーなジャズな時間に遷移し、現実に戻っていくのですが、冒頭の毒が効いているのか、心地よい時間が続きます。
 このグループではこのアルバム、あるいは後のECM作品“I Have the Room Above Her” (2004)の強烈な浮遊感が一番好み。
 曲順を変えるとまた違う感じになるんだろうけども・・・
 とにもかくにも、この人たちが演奏するスローバラードは最高の毒。

※ライブ録音から


posted by H.A.