“Le Voyage” (1979) Paul Motian

Paul Motian (drums, percussion)
Jean-François Jenny Clark (bass) Charles Brackeen (soprano, tenor sax)

Voyage
Paul Motian
Ecm Import
2008-11-18


 Paul Motianのピアノレス・ワンホーン・トリオ。
 Keith Jarrettアメリカンカルテットは”Byablue”, ”Bop-Be” (Oct.1976)で終了し、Joe Lovano, Bill Frisellとの共演を始める前の作品。
 フランスのスーパーベーシストJenny Clarkは近い時期の“Enrico Rava Quartet” (1978) Enrico Ravaにも参加していて、ECMに近づいた時期だったのでしょう。
 アメリカ人サックスを加えて、ピアノレスでハードコアなフリー混じりのジャズ。
 冒頭バラード“Folk Song for Rosie”は漂うようなスローバラード。
 今にも止まりそうなビート。
 ゆったりと太い音を出すベースに、例の舞い散るシンバルのフリーなドラム。
 そして静かな空間の中に響く、エコーがたっぷり効いたソプラノサックスが奏でる悲しいメロディ。
 さらにサックスが抜けるとその静謐さが凄みを増してきます。
 シンシンと静かにシンバルが舞い降る中でのベースのこれまた静かな響き・・・
 とても悲しくて、とてもハードボイルド。
 さらに続くソプラノサックスの激情のインプロピゼーション・・・
 こんなに静かで悲しい演奏はなかなか・・・
 この強烈な浮遊感が、後のBill Frisellとのバンドの原型だったのかもしれません。
 以降、Ornette Colemen風のフリージャズ、陰鬱な演奏などが並びます。
 少人数ゆえ、個々の楽器の音が手に取れるように見える、繊細な音。
 後に繋がる、ちょっと気難し気で陰鬱だけど、強烈な浮遊感とハードボイルドネスが交錯するPaul Motianの音楽。

※Bill Frisell入りのバンドの演奏から。


posted by H.A.