“Unloved” (2017) Maciej Obara Quartet
Maciej Obara (alto sax)
Dominik Wania (piano) Ole Morten Vågan (double bass) Gard Nilssen (drums)

Unloved
Maciej -Quartet- Obara
Ecm Records
2017-11-10


 ポーランドのサックス奏者Maciej ObaraのECMでの第一作。たぶん。
 静かで美しいジャズバラードを中心としたアルバム。
 Charles LoydeのECM名作諸作を想い起こすような音。
 サックスは、サブトーンがしっかり効きながらも艶のある極めて美しい音、ゆったりとした吹きっぷり。
 アルトがテナーのように聞こえます。
 冒頭からECMの定番、今にも止まりそうなルバートでのスローバラード。
 周囲の景色がゆっくりと溶けていくような音。
 そんな演奏が何曲か。
 ビートが定まっても、繊細に鳴るシンバルとピアノの高音がペースを作る静かな演奏。
 長くはありませんがアップテンポの場面では、バンドが一体となった強烈な疾走感。
 Maciej Obaraのサックス、ブチ切れたり妙な音使いはせず、上品で硬軟織り交ぜた素晴らしい表現力。
 さらにピアニストDominik Waniaは漂うような音から疾走まで、一聴してタダモノではないことが分かるスーパーピアニストの片鱗。
 いかにもヨーロピアン、いかにもECMな素晴らしい演奏。
 ドラムとベースもフリーと強烈なグルーヴを使い分けつつ、縦横無尽の素晴らしいサポート。
 このピアノトリオのメンバーも遠からずECM御用達の人になるのでしょう。
 オリジナル中心の楽曲は、いかにもポーランドジャズな少々沈痛系の哀し気なメロディ、ECMでありがちな抽象的なそれではありません。
 ビートもなんだかんだで4ビートが中心、ECMには珍しく、いかにもジャズ。
 さらに、高い透明度とたっぷりのエコーが加わった、こちらはECM的な素晴らしい録音。
 ピアノもサックスもベースもドラムも、極めて上品な最高に心地よい音。
 20世紀型ジャズ、20世紀型ECMといえばそうなのかもしれませんが、極めて上質なジャズサックスカルテット。
 普通のジャズファンも大喜びの名作でしょう。




posted by H.A.