“Solo Guitarra” (2012) José Luis Montón
スペインのギタリストJosé Luis Montón のソロギターでのECM作品。
"Arco Iris" (2010) Amina Alaouiでこの上なく美しいギターを弾いていた人。
本作は北アフリカではなく、対岸のスペインの空気。
全編スパニッシュ、フラメンコな音の流れなのですが、もっと抑制された静かなギター。
J. S. Bachの”Air”を挟んだ、オリジナル曲のセンチメンタルなメロディ。
スローで漂うように静かに始まり、高速な展開、フラメンコチックな音を交えながらも淡々と進む音楽。
決して暗くはなく、危なさも感じないのだけども、誰もいない街角から聞こえてきそうな、寂しそうな音の流れ。
寂寥といった語感ではない、不思議な孤独さとセンチメンタリズム。
激しい場面、高速なフレージングもあくまでクール。
それでいてフラメンコ系ギターならではの加速感、疾走感は十二分。
もちろんECMならではのいい感じのエコーが効いた、透明度の高い美しい音。
もちろんECMならではのいい感じのエコーが効いた、透明度の高い美しい音。
たった一人で演じる、クールで静かなフラメンコ、といった面持ちでしょうか。
ECM的な毒気やアバンギャルドさ、妖しさ、プログレッシブさの成分は少ないのかもしれないけども、上品で上質な音楽。
温度、湿度は低め、少しだけECM寄り。
このくらいの方が平和で聞きやすくていいのかな?
静かで、さり気なくて、とても心地よいスパニッシュギター。
posted by H.A.