“Diverted Travels” (2003) Jon Balke The Magnetic North Orchestra
Jon Balke (piano, keyboards)
Per Jørgensen (trumpet, vocals) Fredrik Lundin (bass flute, saxophones) Bjarte Eike, Peter Spissky (violin) Thomas Pitt (bass violin) Helge Andreas (Norbakken percussion) Ingar Zach (percussion)

Diverted Travels
Jon Balke
Ecm Import
2004-08-31


 ノルウェーのピアニストJon Balkeの変則な編成のコンボ作品。
 このバンド、ECMでは“Further” (1993)、“Kyanos” (2001)に続く三作目でしょうか。
 メンバーは少しずつ変わっていますが全体のトーンは変わらず、ストリングスとホーンが妖しく絡み合う、不思議系北欧コンテンポラリージャズ。
 上記二作と比べると、静かさが増した感じでしょう。
 また、数分の短い楽曲を繋ぎ合わせ、次々と場面が変化していくような、この期のJon Balkeの作品と類似する構成。
 この人の作品の多くは何かのイメージを物語的に構築していく感じなのだと思うのだけども、本作は“逃避?”でしょうか。
 もどかし気、やるせなさ気なピアノの徘徊からスタート。
 アフリカンなパーカッションとストリングスが絡み合う妖しい音の流れ。
 ベースレスゆえ、ビートが入っても不思議な浮遊感。
 ゆらゆらと揺れる背景を作るストリングスとバーカッション、断片的にコラージュされていくような、美しいピアノ、ホーン、ボイス。
 Nils Petter Molvaer、あるいはMiles DavisっぽいトランぺッターPer Jørgensenが大活躍。
 ミュートトランペットとピアノが加速しながら高速チェイスする場面も目立ちます。
 中盤に収められた全編それの“Climb”なんて最高にカッコいいジャズ。
 沈痛さ、陰鬱さは無いのですが、妖しさ、不思議さは満点。
 締めは、放心したような静かなノイズの響きから、この上なく悲し気な“Falling”。
 タイトルのイメージ通り、レクイエムのような音、祈りのようなエンディング。
 いかにもこの人作品、不思議系ジャズで綴った物語。




posted by H.A.