“Poema da Gota Serena” (1977,1980,1982,1996,2000,2004) Ze Eduardo Nazario
Zé Eduardo Nazario (Drums, Kalimba, Khene, Tabla, Glockenspiel, Mridangam, Percussion, Flute, Whistle, Voice)
Lelo Nazario (Electric Piano, Percussion, Synth, Piano, Xylophone, Bells) Fernando Nélio Porto (Keyboards, Piano) Pereira (Guitar)
Zeca Assumpção (Contrabass, Bass) Luciano Vieira (Bass)
Cacau (Tenor Sax, Flute) Roberto Sion (Flute) Roberto Sion, Teco Cardoso (Soprano Sax) Roardo Bernardo (Tenor Sax) Rommel Fernandes (Violin)
Guilherme Franco, Dinho Gonçalves (Percussion)



 ブラジルのドラマーZe Eduardo Nazarioのコンテンポラリージャズ。
 2015年?再発アルバム。
 1970年代から2000年まで長い期間、1980年代にリリースされたアルバム”Poema Da Gota Serena” (1982)を中心として、2000年のライブなども含めたオムニバス作品
 コンテンポラリージャズというよりも、John Coltraneのフリージャズ、あるいはエレクトリックMilesの流れを汲むアバンギャルドジャズといった面持ち。
 ボサノバ以降、この期のブラジリアンジャズの事情には疎いのですが、エレクトリックMiles系の激しいジャズファンク、あるいはフリージャズ、プログレッシブロックを吸収しつつ、ブラジルエスニックな音が強く混ざった、アバンギャルドなジャズフュージョン。
 ボサノバ的な洗練とは全く別世界な音。
 1970年代のEgberto Gismonti諸作あたりに通じるのかもしれませんが、もっとドロドロとしたコアな色合いでしょう。
 1970-1980年代の演奏はまさにそんな音。
 LPレコード片面一曲の重厚で激しい組曲構成。
 ドンドコドンドコ、ビヒャー、ドカーン、ビユユーン、ケチャケチャ・・・ってな感じ。
 冒頭からド激しいドラムとテナーサックスのDuo、続くこと約8分。
 “Interstellar Space” (Feb.22.1967) John Coltraneな時間。
 ドラムがアフロっぽいというか、サンバっぽいというか。
 さらにドロムソロ~妖し気な笛の音・・・
 さらには、引っ掻き回されるエレピ系の電子楽器と、カリンバ、マリンバ系、パーカッション、Nana Vasconcelos的ボイスの饗宴、いや狂演。
 南米密林フリージャズ、あるいは南米密林フリーファンク。
 激しいビートと妖し気な音の流れに誘われる陶酔感、その世界にトランスさせてくれる音。
 その種の音楽が流行らなくなったであろう1990-2000年代になると、洗練された感じ、Weather Reportっぽくなったり、キメキメフュージョンっぽくなっていますが・・・
 とても素晴らしいオリジナル”Poema Da Gota Serena” (1982)のジャケットを含めて、包装は爽やか系ですが、中身はドロドログチャグチャ。
 John Coltraneのアバンギャルドジャズ、エレクトリックMilesWeather Report、そしてブラジル大好きな人にとってはたまらない作品でしょう。
 色合いの違う音源が集まっていることはさておき、凄いアルバムです。



posted by H.A.