“Saudações” (2006,2007) Egberto Gismonti
Alexandre Gismonti, Egberto Gismonti (Guitar)
Camerata Romeu, Zenaida Romeu (Conductor, Strings Orchestra)
Egberto Gismontiの2017年時点での最新作。
ストリングスオーケストラ作品と、ギターのDuoの二編成。
この前の作品はオーケストラの“Meeting Point” (1995)。
ストリングスオーケストラの作品は、クラシック音楽の色合い。
メカニカルにアップダウンするアグレッシブでハイテンションな表情が中心ですが、優し気なコンボ作品“Sanfona” (Nov.1980,Apl.1981)、“Em Família” (1981)あたりを想い出す場面もたくさん。
さらに、合間々にコミカルな表情も見え隠れする構成。
前作と同様に、Egberto Gismontiミュージックの集大成、オーケストラバージョンといえるのかもしれません。
いろんなところに過去の楽曲の断片も出てくるのも面白いところ。
前作“Meeting Point” (Jun.1995)と比べると優し気で柔らかな空気感なのは、ホーンがいないせいかな?と思って、クレジットを見るとオーケストラは全員女性のようで、妙に納得。
優し気なGismontiミュージック、ストリングス版。
優し気なGismontiミュージック、ストリングス版。
ギターのDuoは想像通りのGismontiミュージック、ギター編。
どちらが父でどちらが息子なのかの判別はつきません。
娘Bianca Gismontiと同様、天賦の才能とともに英才教育を受けてきたのでしょう。
過去の名曲を含めて、ハイテンション系の演奏が並びます。
が、1970年代ECM、“Sol Do Meio Dia” (Nov.1977)のRalph TownerとのDuoのように超ハイテンションな感じでは無くて、まずまず穏やかな音の流れ。
もちろんボッサやジャズではなく、あくまでGismontiミュージック。
本作に収められたソロでの演奏を聞く限り、息子さんの方はスパニッシュ系が得意なのでしょうかね?
本作に収められたソロでの演奏を聞く限り、息子さんの方はスパニッシュ系が得意なのでしょうかね?
少し後の初リーダー作”Baiao de Domingo” (2009)はオーソドックスなブラジリアンジャズっぽい感じでしたが、さてこの後、父上のように求道的にいくか?、Bianca Gismontiのようにポップ系にいくか?
本作がその予告編になるか・・・な?
本作がその予告編になるか・・・な?
明るいようで陰影の強い、とても素敵なジャケットのポートレートは、とびきりの美しさ、含蓄の深さ。
明るいようで陰影があって、大人なようで童心なようで、妖しいようで優しくて、あるいは優しいようで妖しくて・・・
Egberto Gismontiミュージックそのものの構図。
その後、十年の歳月が経ちますが、新作がそろそろ出ませんかね・・・?
初期の作品はボサノバ、ロックの色も強いちょっと変わったMPB。
そこから激しい系のロックな色合いが強くなって、“Academia de Danças” (1974)、“Corações Futuristas” (1976)などはとんでもなく凄い作品。
そこからECMで制作を開始して、それらはまずまず落ち着いた印象。
っても十二分にハイテンションで激しいのですが。
その後のECM以外の作品は電子音が強くなって・・・、また気が向けば。
私的な好みは柔らかなジャズの色が強い“Sanfona”(Nov.1980,Apl.1981)、(1981) “Em Família” ですねえ。
凄いのは上記二作だと思うけど。
(1969) “Egberto Gismonti” (1970) “Sonho '70”
(1970) “Orfeo Novo”
(1972) “Agua e Vinho”
(1973) “Egberto Gismonti”
(1974) “Academia de Danças”
(1976) “Corações Futuristas”
(1977) “Carmo”
(Nov.1976) “Dança Das Cabeças” with Nana Vasconcelos
(1978) “No Caipira”
(Nov.1977) “Sol Do Meio Dia”
(1978) “Solo” Solo
(Mar.1979) “Saudades” Naná Vasconcelos
(Jun.1979) ”Magico” Magico
(Nov.1979) “Folk Songs” Magico
(1980) “Circense”
(Nov.1980,Apl.1981) “Sanfona”
(1981) “Em Família”
(Apl.1981) “Magico:Carta de Amor” Magico
(1982) “Fantasia”
(1982) “Sonhos de Castro Alves”
(1983) “Cidade Coração”
(1984) “Duas Vozes” with Nana Vasconcelos
(1985) “Trem Caipira”
(1986) “Alma” Piano Solo(+α)
(1986) “Feixe De Luz"
(1988) “Dança Dos Escravos” Guitar Solo
(1989) “Kuarup”
(1989) “In Montreal” with Charlie Haden
(1993) “Música de Sobrevivência”
(Apl.1995) “ZigZag”
(Jun.1995) “Meeting Point” with Orchestra
(2006, 2007) “Saudações” with Orchestra
posted by H.A.