“No Caipira” (1978) Egberto Gismonti
Egberto Gismonti (Piano, Acoustic Guitar, 12-String Guitar, percussion, Berimbau, Musical Box, Kalimba, Cathedral, Accordion, Guitar, Comb, Voice)
Zeca Assumpção (Bass) Zé Eduardo Nazário (Drums, Percussion, Voice) Roberto Silva (Pandeiro, Wood Block, Talking Drum, Shekere)
Mauro Senise (Soprano Sax) Mauro Senise (Soprano, Alto Sax, Piccolo, Flutes) Zezé Motta (Voice)
And Orchestra

No Caipira
Egberto Gismonti
Ecm Import
2008-11-18


 ブラジルのレーベルOden/EMIのEgberto Gismonti。
 ECMでの制作を開始した時期、“Dança Das Cabeças” (1977)の後の作品。
 先の“Carmo” (1977)までの作品とは違って電子楽器は使用されておらず、アコースティックに戻り、“Academia de Danças” (1974)、“Corações Futuristas” (1976)のような強烈な激しさはありません。
 ロックなビートもあまり使われず、時期的にもECMのEgberto Gismontiの色合いに通じる音がいくつも。
 もちろん十二分にハイテンション。
 おもちゃ箱をひっくり返したようなOdeon/EMIのGismontiミュージック。
 ギターの弾き語りでのボサノバから始まり、超高速に突っ走る曲あり、南米山奥エスニックなフリーミュージックあり、オーケストラが複雑に絡むドラマチックな展開あり、フリージャズ風あり、ハイテンションジャズあり、やはりロックな演奏もあり。
 “Maracatú”, “Frevo”など、後に何度も再演される定番曲も収められています。
 猥雑なのか上品なのか、優しいのか激しいのか、何が何だかよくわかりません。
 いろんな要素、いろんな質感てんこ盛り、ここまでの作品、さらにはこの後の作品のGismontiミュージックをギュッと詰め込んだ坩堝のようなアルバム。
 Manfred Eicherさんからのご指導が少なくないであろう、なんだかんだで上品なECMでの作品よりも、こっちの方が生のEgberto Gismontiさんなのかもしれませんね。




posted by H.A.