“Egberto Gismonti (Arvore)” (1973) Egberto Gismonti
Egbero Gismonti (Piano, Guitar, Flute, Percussion, Voice)
Edson Lobo, Novelli (Bass) Ténorio Jr (Electric Piano) Ion Muniz (Flute) Paulo Moura (Saxophone)
Bernadete, Dulce, Henrique, Olga, Pedro Paulo, Regis, Sidney, Vera (chorus)
And Orchestra

エグベルト・ジスモンチ(Arvore)(BOM24189)
エグベルト・ジスモンチ
ボンバ・レコード
2011-12-17


 Egbero Gismontiのジェットコースターミュージック、事始め。
 シンセサイザーを導入する直前、アコースティックな編成。
 後のプログレッシブロックやハードフュージョン的な色合いはそれほど濃くはありません。
 もちろんブラジリアンミュージックの香りがたっぷりなのですが、この作品からは優しさよりもハイテンションで激しい演奏が目立ちます。
 本作、“Academia de Danças” (1974)、“Corações Futuristas” (1976)の三作が最も激しいGismontiミュージック。私が知る限り。
 冒頭から超高速なあのECMのGismontiっぽいギター。
 ちょっと違うのが、せわしないストリングスと、のほほんとした感じのボーカル、妖しいコーラス群。
 怒涛のピアノから再び超高速ギターでの締め。
 その間わずか三分弱。
 なんともあわただしい・・・というかスリリングな展開。
 唖然としている中、一転、ゆったりとしたセンチメンタルなブラジリアンバラード。
 さらには南米山奥な感じのフリージャズ風やら、激しいソロピアノやら、オーケストラを加えたとても優雅でセンチメンタル、ドラマチックなジャズバラードやら・・・
 めまぐるしく変わる、変幻自在な音の流れ。
 いろんな要素、てんこもり。
 ここからのGismontiさん、そんなとてもクリエイティブで激しい作品が続きます。
 まだまだ穏やかなMPB的な前作“Agua e Vinho” (1972)と、激烈な次作“Academia de Danças” (1974)の中間、その結節点のような作品。
 後続の作品を聞いてしまうと、まだトップギアには入っていなかったのですが、こりゃスゲーや。

※ライブ映像から。


posted by H.A.