“Sombra de Ombu” (2009) Belen Ile
Belen Ile (Vocal)
Carlos Aguirre (Piano, Guitar, Rhodes) Andres Beeuwsaert (Piano) Antonio Restucci (Guitar, Mandolin) Juan Quintero (Guitar, Vocal)
Fernando Silva (Fretless, Bass, Cello)
Mariano Cantero (Percusion) and others

 アルゼンチンのボーカリストBelen Ileの現代フォルクローレ。
 Carlos Aguirreがサポートし、彼のバンドのメンバー、さらにAca Seca Trioのメンバーも加わる、現代フォルクローレオールスターないかにもそれらしい系の音。
 冒頭からCarlos Aguirreナンバーのとても切ないメロディ。
 ピアノとギターが絡み合う漂うような音の流れ。
 その上を泳ぐような透明度の高い美しく儚げなソプラノボイス。
 いやはやCarlos Aguirreワールドです。
 そんな曲が何曲かあり、全体の印象もそれらのしっとりとしたイメージが強く残ります。
 ボーカルもそれらしいしっとり系。
 が、どうもこの人、元気系、スパニッシュな感じがお好みっぽく、アップテンポな楽曲、強いビートの楽曲では、いかにもフラメンコ系な香りもする、あるいはタンゴの香りがする強いボイス。
 ファンクっぽい楽曲もあったりしますが、あくまで音数が絞られたアコースティックなファンク。
 全体のサウンドは美しいピアノと瑞々しいギターが絡み合う現代フォルクローレな音、但し、元気系。
 Carlos AguirreバンドのベーシストFernando Silvaのフレットレス?エレキベースがしっかり効いています。
 センチメンタルで内省的なイメージと、元気で情熱的なイメージが交錯する演奏群。
 どの曲もキャッチ―です。
 現代フォルクローレというよりも、現代アルゼンチンポップス、ナチュラル系といった感じでしょうかね。
 ま、カテゴライズすること自体が時代遅れなのでしょう。
 アルゼンチン発、極めて上質なポップス、です。