“Luz de agua: Poemas de Juan L. Ortiz - Canciones” (2005) Sebastian Macchi, Claudio Bolzani, Fernando Silva 
Sebastian Macchi (piano, voice) Claudio Bolzani (guitar, voice) Fernando Silva (bass, cello, berimbau)
Carlos Aguirre (guitar, percussion) Leandro Drago (keyboard) Jose Luiz Viggiano (percussion)

Luz de agua : Poemas de Juan L. Ortiz - Canciones
Sebastián Macchi - Claudio Bolzani - Fernando Silva
bar buenos aires
2016-01-31


 アルゼンチン、現代フォルクローレのトリオのとても優しい音楽。
 ゲストで参加もしているCarlos Aguirreのレーベルから。
 名作“Carlos Aguirre Grupo (Roje)” (2004)、“Carlos Aguirre Grupo (Violeta)” (2008)の間の制作。
 楽曲、ピアノ、ボイス、コーラスの使い方、その他諸々、Carlos Aguirreの世界。
 本作のテーマは「光と水」。
 アルゼンチンの詩人Juan L. Ortizの作品にSebastian Macchiがメロディを付けた楽曲集。
 いかにもな企画といえばその通りなのですが、企画負け一切なしの素晴らしい音。
 とてもとても繊細な「光と水」の印象そのまま。
 全編漂うようなゆったりとしたテンポと、瑞々しく静謐な空気感。
 Sebastian Macchiの零れ落ちるようなピアノを中心としたサウンドに、Claudio Bolzaniの儚げなボイス。
 Sebastian Macchiのメロディ、ピアノはCarlos Aguirreに近しい感じですが、ボイスはもっと線が細くて儚げ。
 端々の細かなメロディ、音の動きがさり気なく悲し気で美しくて・・・
 静かに穏やかに流れるサウンドは、柔らかに注ぐ光、穏やかに流れる水、柔らかに吹く風・・・って書いてしまうと少女趣味(死語?)のように思えて恥ずかしいのだけども、本当にそうなのだから仕方ありません。
 内省的、耽美的なんて言葉を聞くと、いまだにBill Evansかヨーロッパ系のジャズを想い起こしてしまうのですが、21世紀型の内省的、耽美的な音は、南米発のこの系の音かもなあ・・・と思ったりします。
 悲痛だったり陰鬱だったりする感じではなく、あくまで淡々とした感じ、爽やかでクールな、さり気ない美しさと哀感。
 そんなとても繊細な音です。




posted by H.A.