“Diente de Leon” (2015-2017) Andres Marino & Lucia Boffo
Andres Marino (piano) Lucia Boffo (voice)
Sebastian de Urquiza (bass, voice) Matias Sheines, Gabriel Gowezniansky (violin)

DIENTE DE LEON [ライナーノーツつき]
ANDRES MARINO & LUCIA BOFFO
インパートメント
2017-06-18



 アルゼンチン、現代フォルクローレのDuo。
 女性ボーカルとピアノとのDuoは、古い時代のJazzからの定番でしょうが、近年の南米系でも下のような佳作が多数。他にもたくさんあるのでしょう。
  “Aqui” (2010), “Lighthouse” (2014), “Hand In Hand” (2016) Tatiana Parra
  “Casa” (2016) Gisele De Santi
 激しくアップダウンする音の流れは “Aqui” (2010) , “Hand In Hand” (2016)に近いイメージもあるのですが、もっとクラシック寄りでしっとりとした感じ。
 ピアノに加えて、バイオリン、ベースがストリングスオーケストラのように響き、それを背景に漂うクラシック、ジャズ、ポップスの色合いが交錯する、朗々とした美しいボイス。
 ウイスパー系、静かに歌うスタイルではなく、堂々と声を出していくタイプ。
 ベースはフォルクローレな質感ですが、クラシックの色合い、ポップな色合いも混ざりつつの優雅な音の流れ。
 オリジナル曲のメロディは、クラシック的な流れで複雑にアップダウンし、予想外の方向に動くスタイルが中心。
 いわゆる美メロというよりは、テクニカルな感じ。
 ビートが強いと、あるいは音が優しくなければ激しい系にもなりそうですが、あくまでゆったりと漂い揺れ動くような穏やかな音の流れ。
 ピアノはジャズの人なのかもしれませんが、オーソドックスなクラシックの人のようにも聞こえます。
 透明度の高い美しい音を含めてヨーロッパ的な空気感。
 ECM系に比べると素直でポップ、ナチュラルでオーソドックスな質感。
 タイトルは“タンポポ”。
 間に挟まれる鳥の声、水の音含めて自然への敬意を託した音なのでしょう。
 近年のアルゼンチン、現代フォルクローレの定番の空気感、少々テンション高めのクラシック寄りな音。




posted by H.A.