“Luminescence” (2014) Gregory Privat & Sonny Troupé
カリブ、フランス領マルティニーク島出身のピアニストGrégory Privatの第三作。
ハイテンションでソリッドなコンテンポラリージャズ“Ki Koté”(2011)、ストーリー性をもった組曲風のフュージョン混じり作品の前作“Tales of Cyparis” (2013)と来て、本作はシンプルにパーカッション「カ」とのDuo。
カリブ風味全開のラテンジャズ、あるいは静かで郷愁感の強いピアノミュージック・・・と思いきや、アメリカ系コンテンポラリージャズの色合いが強いハイテンションなジャズ。
少し細めの鋭いタッチ、カッチリした音の流れで突っ走るピアノ。
シンプルなようで、不思議なタイミングで切り返し、ブレイクする複雑なビートとメカニカルなメロディライン。
やはり現代の若手。
ピアノ自体にはクラシックの色合いも感じるのですが、ロック、ポップスを聞いて育った世代の音なのでしょう。
ホーンやギター、ボイスが無い分、全編これでもかこれでもかのピアノの音の洪水。
さらに少人数でも、次々と場面が変わるような何かしらのストーリー性をもった楽曲の展開、アルバムの構成も、ここまでの作品と同様にこの人の作品の特徴。
前向きな組曲風、アップテンポでアグレッシブな演奏、など、さまざまな色合いの楽曲ですが、終盤に収められたラテンなビート、哀愁を帯びたメロディの疾走曲“La Chose”、”Improvising in Meudon”のカッコいいこと。
さすがカリブの人。
やはりこの人はこの色合いがいいと思うなあ。
posted by H.A.