“Stoa” (2005) Nik Bärtsch's Ronin
Nik Bärtsch (piano, electric piano)
Sha (bass clarinet, contrabass clarinet) Björn Meyer (6-string bass) Kasper Rast (drums) Andi Pupato (percussion)
スイスのピアニストNik BärtschのECM第一作。
ミニマル・ファンク・ジャズとでも呼ばれているのでしょうか?
Ronin(浪人)もさることながら、“Zen(禅)Funk”なる呼び方もあるようで、日本的なイメージも強く持っているのでしょう。
果たして日本的な音かどうかはさておき、少々妖し気、不思議系で悲し気なリフと、ファンクなビートの組み合わせ。
それを徹底的に繰り返すのがこの人の音楽。
ファンクやエレクトリックMiles諸作と構造的には近い感じもする・・・ってなのは古い感覚で、全く違う複雑なビートとクールで無機質な空気感。
映画"エクソシスト"を時代の流れの中で経験した世代としては、そのテーマ"Tubular Bells" (1973) Mike Oldfieldを想い起こします。
その方向には明るくありませんが、その流れ、ミニマル、テクノの色合いを強く取り入れたジャズ、といったところなのでしょう。
映画"エクソシスト"を時代の流れの中で経験した世代としては、そのテーマ"Tubular Bells" (1973) Mike Oldfieldを想い起こします。
その方向には明るくありませんが、その流れ、ミニマル、テクノの色合いを強く取り入れたジャズ、といったところなのでしょう。
複雑なビートはなぜか硬質で電子ビートっぽくも聞こえるし、全体のムードはプログレッシブロックっぽくも聞こえるのだけども、あくまでアコースティックな静謐系ジャズ。
そんな微妙なバランスの組み立て。
そんな微妙なバランスの組み立て。
インプロビゼーションの場面は少なく、アンサンブル中心。
フロントのピアノやバスクラではなく、むしろウネウネと動くファンクなエレキベースと、定常なようで微妙に変化し続け、意外なところに入るアクセントが入る変幻自在のドラムの方が印象に残る不思議なバランス。
そんな組み立てでの徹底的なリフの繰り返し。
単調なようで少しずつ景色が変わっていくような不思議な楽器の絡み合い。
あくまでクールな音の流れ。
が、徹底したリフレインは、ファンクやゴスペル、エレクトリックMiles、あるいはサンバと同様に陶酔感を誘い、徐々に盛り上がっていく高揚感、疾走感。
あくまでクールな音の流れ。
が、徹底したリフレインは、ファンクやゴスペル、エレクトリックMiles、あるいはサンバと同様に陶酔感を誘い、徐々に盛り上がっていく高揚感、疾走感。
それがジャズとは異質な心地よさ。
デジタル世代、クラブ世代、ゲームミュージック世代、現代のトランス&グルーヴミュージック。
その界隈で人気なのもさもありなん。
次作“Holon” (2007)へと続きます。
次作“Holon” (2007)へと続きます。
posted by H.A.