“I Concentrate On You” (2013) Elvira Nikolaisen, Mathias Eick
Elvira Nikolaisen (voice) Mathias Eick (trumpet, voice, piano, vibraphone)
Andreas Ulvo (celesta, harpsichord, piano) Gard Nilssen (drums, percussion) Ola Kvernberg (bass-violin, viola, violin)

I Concentrate on You
Elvira Nikolaisen & Matias Eick
Imports
2013-11-25


 ノルウェーのボーカリストとトランペットの共同リーダー作。
 Mathias Eickは寂寥感の塊のような音を出す、近年のECMの代表的なトランぺッター。
 近年の北欧ジャズの親分?Lars Danielssonとも最近作“Liberetto III” (2017)に至るまで共演が続いています。
 Elvira Nikolaisenはおそらくポップス畑の人でしょう。
 ハスっぱなキャンディボイス・・・ってな表現が適当かどうかはわかりませんが、そんな声。
 あるいは蠱惑的ってな表現がいいのでしょうか?
 とにもかくにも個性的、魅力的なボイス。
 スウェーデンのLisa Ekdahlなんて名前を想い出してしまうのですが、知っている人は少数なのだろうなあ・・・
 お題目はアルバムタイトル通りにジャズスタンダード集。
 が、アレンジはポップステイスト。
 バンド編成ではなく、ピアノを中心とした静かな演奏含めて、フォーキーなオーガニックポップスってな面持ち。
 冒頭から“What's New”,”I Concentrate on You”, ”Don't Smoke in Bed”とベタなスタンダードが並びますが、歌が出てきてしばらくして、あれか・・っと思うようなひねり具合。
 それでもとても自然に心地よくアレンジされています。
 さらに素直でナチュラルなようで、オブリガードなどで聞こえるマニアックな楽器の響きが何ともいいムード。
 Mathias Eickのトランペットは相変わらずの寂寥感の塊ですが、登場場面は少な目。
 プロデューサーに徹しているのでしょうが、考えてみれば彼のリーダー作もこんな感じのフォーキーなテイストでしたね。
 ジャケットは完全にECMテイスト、冒頭の出だしもECMっぽいピアノ、そんな場面も少なくないのですが、なんだかんだでポップでフォーキー。
 この感じあたりが現代ノルウェーの自然なサウンドなのでしょうかね。
 Elvira Nikolaisenのアルバム、次はECMで制作しないかな?
 名作が出来そうな予感。




posted by H.A.