“Alma Lirica Brasileira” (2011) Monica Salmaso
Monica Salmaso (voice) 
Nelson Ayres (piano) Teco Cardoso (flute, sax)

Alma Lirica Brasileira
Monica Salmaso
BISCOITO FINO
2011-06-10


 ブラジルのボーカリストMonica Salmasoのしっとり系MPB、2011年作。
 ベース、ドラムを排して、ピアノと管楽器のみのサポートでのバラード集。
 ボッサ、サンバではなく、ミナス~フォルクローレ、さらにクラシックの空気感も強い、静かで上品な作品。
 もともと沈みがちなハスキーな低音ボイスの人、内省的というよりも、それを通り越したような神秘的な声。
 バンドは少し前の作品“Noites de Gala - Samba Na Rua” (2006)と同様、”Pau Brasil”なるバンド?ムーブメント?のメンバーの二人。
 静かで上品、Andre Mehmariを想わせるクラシカルなピアノに、彩を加える優しい管の音。
 それらを背景に慈しむようなボイスが漂います。
 穏やかで静謐、ゆったりと流れる時間。
 ヒーリングミュージック、なんて言葉はあまり聞かなくなったけれども、まさにそんな音。
 楽曲はブラジルの伝統曲に、Jobimをはじめとした大御所たちのメロディが中心。
 但し、有名どころの曲を選んででいるわけではないし、空気感も単なるカバーとは異なります。
 かといって奇をてらったことをしているわけでもなく、なんだか不思議です。
 全編を通じてどこか懐かし気な空気感が立ち込めていて、ジャケットなどの作りも含めてクラシカルなのですが、決して古い感じではなく、なぜか現代的・・・なのか、どうなのか不思議な質感。
 ネオ・クラシカル・ブラジリアン・・・なんて言葉があるとすれば、それがぴったりとくるムード。
 さらに、見えてくる景色は広大な大地か、ゆったり流れる大河か、静かで穏やかな海のようでもあるし、さり気なく流れるせせらぎのようでもあるし・・・
 サンパウロにはたくさんの若手のクリエイティブな人たちが集まっているようで、すでに大御所?のAndre Mehmariはもとより、女性ボーカリストもDani Gurgel, Tatiana Parraなどがカッコいい音をたくさん作っています。
 その二人は元気系でスキャットを中心に飛び跳ねるタイプですが、この人はあくまでもしっとり系。
 幻想的で神秘的なムードは巫女さんみたいですね。
 現代ブラジル最高の女性ボーカリストとして、Gisele De SantiRosa Passosをツートップと書いたような気がするけれども、この人も加えてスリートップとしますかね?
 ボッサではない、静謐で奥深いブラジル、代表作・・・かな?




posted by H.A.