“Ventanas”(2009)Aca Seca Trio
Juan Quintero (guitar, voice) Mariano Cantero (drums, percussion, voice) Andres Beeuwsaert (piano, keyboards, voice)
Tatiana Parra, Liliana Herrero, Dante Yenque (voice) Juan Pablo Di Leone (flute) Fernando Silva (cello, contrabass) Javier Malosetti (bass) Victor Carrion (clarinette、soprano sax)

Ventanas
Aca Seca Trio
Imports
2011-09-20


 ネオ・フォルクローレのAca Seca Trioのデビュー第三作。
 優し気な音と男声ボイス、優雅なコーラスのバンド。
 前作“Avenido”(2006)と同様に歌とコーラスが中心ですが、管楽器、チェロ、女性を含めたゲストボーカルが加わる構成。
 さらに前作では無かったインスツルメンタル曲、あるいはインプロビゼーションのスペースも少々。
 豪華な編成、構成になっているとともに、心なしか前作よりも穏やかでしっとりとした雰囲気かもしれません。
 もちろん中核は歌とコーラス。
 アカペラでの堂々としたコーラス曲もあります。
 さらにピアノが前面に出る場面が増え、Andres Beeuwsaertの穏やかでしっとりとしたジャジーな雰囲気が強くなっているように感じます。
 同時期に“Dos ríos” (2008) Andrés Beeuwsaert、“Carlos Aguirre Grupo (Violeta)” (2008) Carlos Aguirre Grupoなど、穏やかな名作が制作されていて、そんな雰囲気が強くなっていた時期でもあるのでしょうかね?
 Juan Quintero、Andres Beeuwsaertのオリジナル曲に、アルゼンチンの古そうな曲、新しそうな曲を交えた構成。
 それらがフォルクローレなのか何なのか、よくはわかりませんが、いずれも優しい表情。
 6/8のフォルクローレビート、オーソドックスなビートはもちろん、いくらか強めのビート、現代的な変拍子的なビートの曲も含めてとても優雅な音の流れ。
 この系統のアーティスト、私の知る狭い範疇では、美しいのはCarlos Aguirre、しっとりしているのはAndres Beeuwsaertの単独リーダー作、瑞々しいのがQuiqueSinesi、ブラジルまで範囲を広げればジャズ~クラシックまで何でもありのAndre Mehmari、ハッキリしていてポップなのがこのバンド、ってな感じでしょうか?
 本作もそんな感じ、但し、少々しっとり系。
 とてもわかりやすいのだけども、非日常的。
 アルゼンチンの人にとっては日常的な音なのかもしれませんが、日本にいるとね。




posted by H.A.