“Porto Da Madama” (2015) Guinga
Guinga (guitar, voice)
Mônica Salmaso, Maria João, Maria Pia de Vito, Esperanza Spalding (voice)
ブラジルのギタリストGuinga、さまざまなボーカリストを迎えた作品。
ゲストボーカルは変幻自在のミラクルボイスのポルトガル人Maria João、元気なアメリカンEsperanza Spalding、ジャジーなようなクラシカルなようなイタリアンMaria Pia de Vito、深く沈み込むようなブラジリアンMônica Salmaso、いずれ劣らぬスーパーな人たち。
偶然なのか狙ったのか、国籍もタイプもバラバラな声。
それを束ねる激渋なギター。
全曲スローテンポ、オリジナル曲を中心にブラジルの名曲が加わる構成。
ギター一本を背景にして、彼女たちのボイスと一部のGuingaさんとのデュエット。
ボッサではなく、ビートを出すタイプの演奏でもなく、アルペジオとコードを流す演奏を中心とした漂うような音の流れ、空白の時間の多いギター。
そんな静謐で浮遊感の強い空気の中の色とりどりのボイス。
ブラジル的しっとり系のMônica Salmasoはイメージ通り、Maria Joãoの魔女的なボイスはちょっと凄いものがあるし、本来ジャズ系であろう方々もとてもカッコいい。
いろんな彩の静謐で上質な世界が、最初から最後まで続きます。
さらにそんな静かな空気の中に、クールなようで激甘、ネトネトにも聞こえるGuingaさんのスキャットボイスが乗ってくると・・・
涼しげなような暖かなような、乾いているような湿っているような、妖しいような穏やかなような、不思議で微妙なバランス。
どの季節にもいけそうではありますが、夏の夜にはこれしかないような音。
あまりにもムーディーにすぎて、健全ではない大人な世界、取扱注意・・・なのかもしれませんが。
