“Silent Light” (2016) Dominic Miller
Dominic Miller (guitar, electric bass)
Miles Bould (percussion, drums)
あのStingバンドの人のとても静かなアコースティックギター。
全編を通じて、とても繊細な音。
全編を通じて、とても繊細な音。
大大御所Ralph Townerと比べるのも無粋なのですが、彼のパキーンとくる音と比べて、サラサラと流れていくような音の動き。
あるいは、要所でタメが入るRalph Townerに対して、あくまでスムースに紡がれるアルペジオ。
この癖のないスムースさが、永らくロック~ポップス界のスーパースターのサポートを続けているがゆえの技、音の流れなのでしょうか?
アルゼンチンの人のようですが、少なくとも本作ではそれらしさは感じません。
アルゼンチンの人のようですが、少なくとも本作ではそれらしさは感じません。
さておき、本作、Stingナンバー“Fields Of Gold”を除いてすべてオリジナル曲。
スッキリしているようで不思議系。
クラシック系の人とは異なるビート感と、フォーキーで哀愁が漂うコードの遷移とメロディ。
ミディアム~アップテンポな演奏が多いのですが、静かなアルペジオ中心。
メロディ先行の普通のバランスとは少々感じが違って、アルペジオの中にメロディが置かれているといった感じの不思議なバランス。
あくまで静かにサラサラと音が流れていきます。
何曲かで打楽器のサポートが入りますが、繊細な音の流れの中での静かで上品なアクセント。
他の作品のようにロック、ポップス、フュージョン仕立てではなく、この演奏のスタイルで“Shape of My Heart”とか”Fragile”とかの美メロが演奏されるとカッコいいんでしょうけど、またそれはどこかで。
他の作品のようにロック、ポップス、フュージョン仕立てではなく、この演奏のスタイルで“Shape of My Heart”とか”Fragile”とかの美メロが演奏されるとカッコいいんでしょうけど、またそれはどこかで。
Ralph Townerの近作は走馬燈のような音だと思っていましたが、本作も同様。
静謐さ、穏やかさは同様ですが、少し質感は異なります、
少し回転が速く、より淡々としていて、より線が細い感じ。
ゆらめく光ではなく、静かに定常に輝く青白い光。
強い感情移入が少なく感じられるクールな質感が、現代的といわれればその通り、なのでしょう。
posted by H.A.