“Blue” (1986) Terje Rypdal & the Chasers
Terje Rypdal (Electric Guitar, Keyboards)
Bjørn Kjellemyr (Acoustic Bass, Electric Bass) Audun Kleive (Drums, Percussion)
ノルウェーのギタリストTerje Rypdal、ギタートリオでのアルバム。
トリオとなると名作“Terje Rypdal/Miroslav Vitous/Jack DeJohnette” (1978)、“To Be Continued” (1981)のハードなジャズな感じを期待してしまうのですが、本作はロック、あるいはフュージョン寄り。
ノルウェーのベーシスト、ドラマーはジャズの人の様ですが、ビート感はヘビーなフュージョンテイスト。
フレットレスエレキベース、チョッパーも多用するエレキベースに、パタパタしたドラム。
ギンギンのディストーションにズルズルグチョグチョのギターはついJimi Hendrixを思い出してしまうハードなファンクロックなギタートリオってな感じの演奏もあります。
もちろんそればかりではなく、ウッドベースが入ってジャズっぽくしっとりとした演奏、その他、ロッカバラード風だったり、4ビートなWeather Report風フュージョンだったり、幅のある音作り。
ギターはいつも通りに十分に過激、激烈ですが、背景の整ったビート感からの印象は、少し過激なジャズフュージョン。
Jaco Pastrius&Peter Erskinそっくりなベース&ドラムがあったり、ストリングスっぽい背景づくり中心に使われるシンセサイザーがあったりで、1980年代フュージョンっぽくて、懐かしい感じもします。
ズルズルグチョグチョなハードなアバンギャルドロック、あるいはフリージャズってな面持ちはありません。
ますますもってECM的ではないのですが、この時期、“Night” (1984) John Abercrombieなど、こんな感じのフュージョン作品もいくつかありましたかね。
整った1980年代的フュージョンサウンドを背景にした、ズルズルグチョグチョでハードなギンギンギターのバランス、あるいはアンバランスが絶妙で希少、と言われればその通り。
Weather Report全盛期は“8:30”(1979)とすれば少し前かあ・・・
posted by H.A.