“Nosso” (2008) Dani Gurgel
Dani Gurgel (voice)
Debora Gurgel (Piano, Rhodes) Michi Ruzitschka (acoustic, electric guitar) Daniel Amorin (acoustic, electric bass) Thiago Rabello (drums) André Kurchal (percussion)
Luiz Rabello (percussion) Ricardo Barros, Tatiana Parra (voice) and others

Nosso
Dani Gurgel
CD Baby
2008-11-03


 ブラジル、ジャジーMPBのDani Gurgel の2008年作品。
 これがデビュー作?かもしれません。
 母上のピアノを中心としたトリオにギター、パーカッションが入った編成。
 Dani Gurgelの可憐でナチュラルなボイスはこの頃から。
 それに加えてカッコいいのがバンドの現代的ジャズのグルーヴィーな音。
 アメリカ系のバンドと比べて柔らかでしなやかなビート、微妙にニュアンス、グルーヴの感じが違うように思います。
 Joyceの背景を固める夫君を中心としたジャズバンド、あるいは“Encounter” (1976、1977) Flora PurimなどAirtoHermeto Pascoalあたりが主導するバンドに共通する質感のように思います。
 おっと、本作含めていずれもドラマーとボーカリストの夫婦ですね。
 それはさておき、アメリカ系と何が違うのか、いまだにわかりませんが、体に染みついたビート感が何か違うのでしょうね?
 グルーヴィーなピアノに、ビシバシなドラム、動きまくるベースの完璧なピアノトリオ。
 ジャズなギターも手練れていて、最も好みのブラジリアンミュージックのバンド編成。
 ベーシストのノリが凄い、特にエレキベース。
 “UM” (2013) Dani & Debora Gurgel Quarteto以降の後任Sidiel Vieiraもカッコいいけど、それに輪をかけてグルーヴィー。
 この人も時代が違えばWeather ReportHerbie Hancockバンド、はたまたMiles Davisバンドに呼ばれそうな凄いリズムと音使い。
 完璧なジャズ~ファンクバンドです。
 その上に乗ってくる可憐なボイス。
 後の作品で聞かれる怒涛のスキャットはここでは強調されず、素直で繊細な歌声。
 楽曲はGurgel母娘のオリジナル曲に加えてゲストの若手?の楽曲。
 Tatiana Parra以外の名前は知らない人たちですが、サンバ、ボッサその他諸々、いい曲が揃っています。
 明るく前向き、郷愁感が漂うキャッチーなメロディ、可憐な歌声、しなやかなブラジリアングルーヴ、明るいけど能天気ではない空気感・・・などなど、現代のMPBのかっこよさが集まったような出来具合。
 後の作品のピアノトリオと怒涛のようなスキャットの方が希少でクリエイティブなサウンドなのかもしれないけども、私的には柔らかく聞こえ、湿り気成分が少々強い、こちらのオーソドックスなサウンドの方が好みでしょうかね。
 ガットギターはもちろん、ときおり登場するクリーントーンのエレキギターが涼し気で気持ちいいもんね。
 次作“Agora” (2010)も本作と同じメンバーにゲストを迎え、同質なグルーヴィーなジャジーMPB。
 こちらもカッコいい、というか、この人の作品、ハズレなし。
 全部は聞けていないけど、これが一番いいんじゃないかなあ?




posted by H.A.