“Parish” (2004) Thomas Stronen
Thomas Stronen (Percussion) 
Bobo stenson (Piano) Fredrik ljungkvisk (sax, clarinette) Mats Eilertsen (bass)

Parish (Slip)
Thomas Stronen
Ecm Records
2006-03-14





 ノルウェーのドラマーThomas Stronenのリーダー作。
 “Rica” (2001) Parishと同じメンバー、北欧コンテンポラリージャズカルテットですが、そちらのOrnette Coleman色、Bobo Stenson色、あるいはMats Eilertsen色に対して、本作はかなり印象が異なります。
 集団でのインプロビゼーションを中心とした静音フリージャズな作品。
 素直なカルテット、あるいはトリオでの演奏はなく、パーカッションを中心として、メンバーが入れ替わり立ち替わりしながら展開していくスタイル。
 “Rica” (2001)の淡い色合い、静かな音の流れはそのままに、定常なビート、聞き慣れたメロディ的な要素がなくなり、抽象度が高く、先の読めない展開が中心。
 ECM移籍第一作は往々にしてフリーインプロビゼーション中心になるケースが見受けられますが、変幻自在のパーカッショニストThomas Stronen のそれとして見るのであれば、いかにもな色合いなのでしょう。
 いきなり応用編からぶつけられる感じで、聞く側からすればなかなか取っつきにくいことも否めないのですが、そのアーティストの色合いを洗い出すにはいい方法なのかもしれません。
 結果としては、ECMならではの静かで硬質でひんやりとした音、先の展開予測不可能、変幻自在の北欧ジャズ。
 全体をリードするなかなか定常なビートを出さないパーカッションに美しいピアノ、静かながらクダを巻く系のサックスが絡み合いつつ流れていく時間。
 多くが不思議系、出口の見えない迷宮系。
 が、キツイ感じのフリージャズではありません。
 Bobo Stensonのピアノが相変わらず美しい。
 さらに、中盤以降に納められた何曲かのリーダーのオリジナル曲は、哀愁が漂うハードボイルドなメロディ。
 強烈な浮遊感が心地よいルバート的なスローバラードもあります。
 それらをCD前半にもってくるともっと人気作になるんじゃないかなあ・・・とか思ったりもしますが・・・
 そんなアクセントを含めて、淡い感じが心地よいととらえるか、あるいは先の読めないスリリングさがカッコいいととらえるか、はたまた抽象的にすぎてよくわからんととらえるか・・・
 ま、人それぞれかと。
 私的にはさすがにECMの音、静かで美しい音の流れが心地いいし、さらにその中から突然に現れる、ECMのお約束?の全編ルバートでのスローバラードなんてカッコいいなあ、と思います。
 静かな非日常感が心地よい一作、但し、応用編かな?
 この先、サックスとのDuoバンド"Food"の作品が何作か、リーダー作はしばらく先の“Time Is A Blind Guide” (2015) 。
 そちらはメンバーがガラッと変わって、音も変わって、わかりやすい感じです。
 やはりECMへの移籍後は、第二作ぐらいから落ち着いてくるのかな・・・?




 posted by H.A.