“Desperate Dance” (2015) Pablo Ziegler, Quique Sinesi
Pablo Ziegler (Piano) Quique Sinesi (Guitar)
Walter Castro (Bandoneon)
Astor PiazzollaバンドのピアニストPablo Ziegler のトリオ作品。
前作?“Bajo Cero” (2003)と同じメンバー、10数年ぶりのアルバムのようです。
そちらと変わらない穏やかなタンゴ的ジャズ、ジャズ的タンゴ。
明るくて軽やか、Piazzollaの音楽の緊張感、深刻さ、激しさを薄めた感じはそのままですが、前作よりも少しタンゴ色が強いかもしれません。
Pablo Ziegler のオリジナル曲を中心に、Piazzolla二曲、Quique Sinesiが二曲。
Quique Sinesiの曲までタンゴっぽくて、そちらに振ろうとしたというか、むしろ前作の方がカラフルで変わった色合いなのかもしれません。
なぜか”Mahavishnu Tango”なんてJohn McLaughlinの曲までありますが・・・
タンゴの色合いが強くなると薄味のPiazzollaってなイメージも強くなっていますかね。
Piazzolla的タンゴを演奏しても、Gary Burton諸作にしろ、Pablo Ziegler諸作にしろ、 Astor Piazzollaがいないと、重厚さ、緊迫感が薄らぎ、全く違う音になってしまいます。
ま、それがいいのかもしれません。共通するのは哀愁が漂うセンチメンタルなメロディ。
ビート感、音の流れはタンゴ的なのですが、インプロビゼーションが始まるとPablo Ziegler、Quique Sinesiともにジャズなムード。
軽くて穏やかな色合いのバンドネオンも合わせて、とても軽快で快適。
前作と同様、とてもオシャレです。
ジャケットの素晴らしいポートレートは、少々夜なタンゴっぽい感じですが、音は明るくてさわやか。
今の季節、昼下がりあたりにピッタリの音。
posted by H.A.