“Desperate Dance” (2015) Pablo Ziegler, Quique Sinesi 
Pablo Ziegler (Piano) Quique Sinesi (Guitar) 
Walter Castro (Bandoneon)
 
Desperate Dance
Pablo Ziegler
Yellowbird
2015-09-04
パブロ ジーグラー
キケ シネシ


 Astor PiazzollaバンドのピアニストPablo Ziegler のトリオ作品。
 前作?“Bajo Cero” (2003)と同じメンバー、10数年ぶりのアルバムのようです。
 そちらと変わらない穏やかなタンゴ的ジャズ、ジャズ的タンゴ。
 明るくて軽やか、Piazzollaの音楽の緊張感、深刻さ、激しさを薄めた感じはそのままですが、前作よりも少しタンゴ色が強いかもしれません。
 Pablo Ziegler のオリジナル曲を中心に、Piazzolla二曲、Quique Sinesiが二曲。
 Quique Sinesiの曲までタンゴっぽくて、そちらに振ろうとしたというか、むしろ前作の方がカラフルで変わった色合いなのかもしれません。
 なぜか”Mahavishnu Tango”なんてJohn McLaughlinの曲までありますが・・・
 タンゴの色合いが強くなると薄味のPiazzollaってなイメージも強くなっていますかね。
 Piazzolla的タンゴを演奏しても、Gary Burton諸作にしろ、Pablo Ziegler諸作にしろ、 Astor Piazzollaがいないと、重厚さ、緊迫感が薄らぎ、全く違う音になってしまいます。
 ま、それがいいのかもしれません。
 共通するのは哀愁が漂うセンチメンタルなメロディ。
 ビート感、音の流れはタンゴ的なのですが、インプロビゼーションが始まるとPablo Ziegler、Quique Sinesiともにジャズなムード。
 軽くて穏やかな色合いのバンドネオンも合わせて、とても軽快で快適。
 前作と同様、とてもオシャレです。
 ジャケットの素晴らしいポートレートは、少々夜なタンゴっぽい感じですが、音は明るくてさわやか。
 今の季節、昼下がりあたりにピッタリの音。




posted by H.A.