“Stellar Regions” (Feb.15.1967) John Coltrane
John Coltrane (tenor, alto saxophone)
Alice Coltrane (piano) Jimmy Garrison (bass) Rashied Ali (drums)
 
Stellar Regions
John Coltrane
Grp Records
1995-10-10


 John Coltrane、最終アルバム“Expression” (Feb.15.1967, Mar.7.1967)と同セッションの未発表作品集。
 発表されたのは1995年。
 長らくお蔵に入っていた事実上の“Expression”アウトテイク集ですが、完成度の高いアルバム。
 激しさはほどほど、それゆえにお蔵に入ったのかもしれませんが、なぜ1995年まで出なかったのかはわかりません。
 全体の印象は、激烈フリー期に入る直前、“Sun Ship” (Aug.1965)、”First Meditations” (Sep.2.1965)に近い感じでしょうか。
 McCoy Tyner, Elvin Jonesはいませんが、オーソドックスなジャズの香りもわずかながら漂っていて、新しい ジャズカルテットの唯一の作品としてみることもできます。
 Rashied Ali のドラムは相変わらず変わっていますが、Jimmy Garrisonが素直にウォーキングする場面があったり、Alice Coltraneはこれが彼女の真骨頂なのでしょう、繊細で美しいピアノがフィーチャーされる場面が多かったり。
 フリービート、スローのルバートから始まり、徐々に激烈に変わっていく展開が多い印象。
 それらは“Expression”収録の“Expression”、“Offering”に近い感じ、それらに劣らない素晴らしい演奏。
 Pharoah Sandersが参加していないことも、“Ascension” (Jun.28.1965)、あるいは“Kulu Sé Mama” (Jun.10.16,Oct.14.1965)以降の絶叫フリージャズから変わっていこうとしていた途上だったのかもしれません。
 あるいはColtraneだけで絶叫する場面もいくらかあり、彼がいなくても絶叫状態にトランスする方法を見つけたので・・・といったのは考えすぎでしょうか。
 いずれにしてもその場面も決して多くはなく、この期の作品としては身構えなくても聞けるアルバム。
 とても素敵なジャケット。
 上方を見上げるColtraneの頭の中には何があったのか?
 このアルバムと“Expression”の中にその答えがあるのだと思うのですが・・・
 人気作なのかどうかはわかりませんが、私は大好きなアルバム、名作だと思います。

 


 posted by H.A.