“Jupiter Variation” (Feb.2.1966, Feb.22.1967, Mar.7.1967) John Coltrane
John Coltrane (tenor saxophone, bells)
Alice Coltrane (piano) Jimmy Garrison, Charlie Haden (bass) Rashied Ali (drums) Ray Appleton (percussion)
Pharoah Sanders (tambourine, wooden flute)
 
ジュピター・ヴァリエーション
ジョン・コルトレーン
ユニバーサル ミュージック
2015-05-13


 John Coltrane、激烈フリージャズ期、最後期の未発表演奏集。
 リリースは1978年。
 フリージャズ系の一連の作品が発表された後、“First Meditations” (Sep.2.1965) <1977>に続くリリースでしょうか。
 事実上、“Expression” (Feb.15,Mar.7.1967)、“Interstellar Space” (Feb.22.1967)のアウトテイク集。
 Pharoah Sandersの参加はフルートで一曲のみで、LPレコードB面はRashied AliとColtraneのDuo。
 “Leo”、” Peace on Earth”など、“Live in Japan” (Jul.11,22.1966)などでの演奏曲のスタジオ録音バージョンも収録されています。
 カルテットでの“Number One”は少々陰鬱な絶叫系フリージャズ。
 Pharoah SandersがいないとColtraneは絶叫しない・・・ってな感じも持っているのですが、この曲では一人で絶叫しています。
 ピアノなどのソロの場面はなく、11分超、Coltraneの独り舞台。
 Feb.22.1967のRashied AliとColtraneのDuoも、絶叫する場面こそ少ないものの、魂の叫びのようなフリーキーな音の連続。
 “Leo”など、一連のドラムとのDuoの中では、これが一番すごいんじゃないの?と思う激烈さ。
 激しい演奏が並びますが、その中の” Peace on Earth”はとても穏やかなルバートでのバラード。
 そこそこのフリーキートーンもありますが、この線で落ち着いていくととても穏やかで安らかなのだけども、これは他のセッションよりは一年前の1966年。
 最後?のスタジオセッションの記録は激烈な“Number One”。
 まだJohn Coltraneの心中は穏やかではなかったようです。




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