“Solo in Ukraine” (2000,2001) Leszek Mozdzer
Leszek Mozdzer (Piano)
 
Solo In Ukraine
Leszek Mozdzer
GOWI Records
2003
レシェック モジジェル

 ポーランドのピアニストLeszek Mozdzer、ソロピアノでのライブ録音。
 Chopinの曲とオリジナルのジャズ曲、ジャズ演奏をフュージョンしたステージ。
 第一印象はクラシック色も強いのですが、気が付けば強烈なジャズが鳴っている変幻自在のピアノ演奏。
 “Piano” (2004) Leszek Mozdzer、"Pasodoble” (2006,2007) Lars Danielsson & Leszek Możdżerあたりとも時期が近く、ポーランドのスーパースターから、ヨーロッパ全土、世界へ展開を始めた時期でしょうか?
 クラシックには疎く、これがクラシックとしてどうなのかはわかりませんが、ジャズの耳で聞いてとても素晴らしい、いや、とてつもなく凄いピアノ。
 冒頭からChoipnの優雅なメロディ、クラシック的な演奏と、強烈なジャズ的なインプロビゼーションが交互に現れる展開。
 加速と減速、ジャズとクラシックとジャズが交錯する演奏そんな展開が続きます。
 数曲のオリジナル曲はジャズ度が強いのですが、それもなぜか同じ印象。
 終盤に置かれたアップテンポな“Maiden Voyage”も然り。
 指に加速装置が付いているとしか思えないようなフレーズの連発。
 唖然とするような凄まじいまでの音の流れが続きます。
 音数は多めなのでしょうが、それでいてうるささや押しつけがましさ、いやらしさは全く感じさせない優雅な演奏。
 後のACT諸作のような氷のような冷たさ、カミソリのような鋭利さはここではほどほど。
 基本的には丸くて上品な音を中心として、要所で例のピキーン、パキーンとした音がくるのが気持ちいいなあ。
 録音の影響も大きいのでしょうが、本作ぐらいが楽に聞けるいいバランスなのかもしれません。
 この人、“The Time”(2005)Leszek Mozdzer, Lars Danielson, Zohar Frescoなどのトリオ作品になると、あるいは"Pasodoble” (2006,2007)などのDuo作品でも、妙におとなしくなってしまう感が無きしもあらず。
 本領発揮、スーパーピアニストぶりを聞くには、やはり自由なソロ作品でしょうかね。
 近年のピアニスト、Marcin WasilewskiTigran HamasyanHelge Lienあたりが人気で、実際に凄いのですが、私的にはこの人の鋭さ、繊細さのバランスが最も好み。
 上品さと激しさがいい感じでフュージョンした凄いピアノ作品。

 この種の東欧系のアルバム、ACTECMの有名レーベルでないものは、日本での流通も少なく、廃盤になるのも早いのが残念至極。
 南米系も然り。
 本作、前掲の“Facing the wind” (1996) David Friesen & Leszek Możdżer含めて素晴らしい作品がたくさんあるので、流通経路、誰か作ってくれませんかね。

※別の作品から。


posted by H.A.