“To Know Is To Love You” (1973) B.B. King

B.B. King (Guitar, Vocals)

Dave Crawford, Stevie Wonder, Charles Mann (keyboards) Vince Montana (vibes) Norman Harris, Roland Chambers, Eli Tartarsky (guitar) Ronnie Baker (bass) Earl Young (drums) Larry Washington (conga) Wayne Jackson & The Memphis Horns (horns)
 

トゥ・ノウ・ユー・イズ・トゥ・ラヴ・ユー
B.B.キング
ユニバーサル ミュージック
2015-09-16


 突然B.B. King。

 ブルースではなくて、ソウルな一作。

 フィラデルフィアなのか、メンフィスなのか、シカゴなのか、デトロイトなのか・・・、そのあたりのソウル界の事情には明るくないのですが、とにもかくにも、とてもアメリカンな音。

 B.B. King、後にもCrusadersとの“Midnight Believer” (1978)などのソウルよりの作品がありますが、これの作品あたりがその端緒でしょうか?

 ボコボコしたあの時代のベースのサウンド、グルーヴィーにバウンドするビートにいなせなホーン。

 ちょっと切な気で懐かし気なメロディ。

 余裕たっぷりな空気感の中に響く、堂々とした、黒々としたボイス。
 最高のボーカリストB.B.Kingの本領発揮。 

 もちろんあのギターが鳴り響く時間はブルースの香りたっぷり。
 どんな音が背景であれ、全体の質感はブルースの神様B.B.Kingの色合い。 

 が、本作、なぜか夜の街やクラブの空気感ではなく、郊外の見晴らしのいいハイウェイな感じ。

 FRの大型セダンで余裕たっぷり、ゆったりとクルーズしている感じ。

 こりゃ気持ちいいや。

 タイトル曲はStevie Wonder。

  “Talking Book” (1972), “Innervisions” (1973)の時期、既にスーパースターだったのでしょう。

 洗練されてキャッチーなStevie Wonderと重厚なB.B.King、イメージが合わない感じもしますがこれがバッチリ。

 グルーヴィー&ブルージー。

 さすがブラックアメリカンの神様たちの共演。

 その他含めてほどほどに作り込まれていいてゴージャスな感じがするのは、いかにも1970年の空気感。

 ちょっとノスタルジックないい感じの温かなムードに浸れる素敵な音。

 何となく春っぽくて、今の季節にいい感じ・・・かな?





posted by H.A.