“Solo Performance, New York ‘75” (Feb.13.1975) Keith Jarrett
Keith Jarrett (piano)
 
SOLO PERFORMANCE, NEW
KEITH JARRETT
HIHAT
キース ジャレット


 ブートレッグついでにKeith Jarrettの放送音源?。
 Keith Jarrett、絶好調期のソロピアノ、アメリカでのライブ。
 2017年の発表でしょうか?ファンの間では知られていた音源なのかもしれません。 
 泣く子も黙る“The Köln Concert”(Jan.24.1975)の三週間後のステージ。
 美しい旋律が次から次へと天から降りてきていた時期。
 さらに筋書きのあるドラマのような起承転結の構成が無尽蔵に湧き出していたように思える時期。
 この後の“Sun Bear Concerts” (Nov.1976)から考えると、たぶんというか絶対凄いんだろうなあと思いつつ・・・
 が、この日は少々印象が異なります。

 ファーストセット、Part.1はゆったりとしたテンポ、シンプルなリフを背景に美しいメロディが見え隠れするからスタート。
 祈るような音の流れ、淡い色合い、試行錯誤するような演奏が続きます。
 終盤から切なげなメロディ、楽曲~展開がまとまってきますが長くは続かず、ロックバラード風、“Treasure Island” (Feb.1974)のムードのPart.2に移ります。
 Part.3は高速なロングフレーズを散りばめながらのインプロビゼーションたっぷりの演奏から、今にも止まりそうなスローバラードへ。
 切なげな演奏ですが、明るいムード。
 さらにはフォークロックな流れに変わり、その空気感はそのままゴスペルチックな展開へ。
 Part.4は少し明度を落としたバラード演奏からスタート。
 ゆったりとしたビートの中を高速フレーズが駆け巡る葛藤するようなインプロビゼーション。
 徐々にテンションを上げ、ゴスペルチックな展開から、とても美しいフォークロック調への展開。
 前向きなムードでファーストセットは幕を閉じます。

 セカンドセットの冒頭は甘くセンチメンタルなムード。
 繊細な音、美しいメロディが散りばめられた演奏ですが、一つの流れにまとまる形ではなくさまざまな展開が次々と現れては消えていく演奏。
 さらに波が重なり合いながら寄せてくるような音の流れ、続くPart2.は明るく前向きなフォークロック調。
 “The Köln Concert”ど同じような展開の場面もしばしば出てきますが、ビートがしっかり効いていて、ニュアンスは異なります。
 加速しながら突っ走る凄まじいインプロビゼーションから現代音楽的な激しい演奏を経て、最終章Part3.もフォークロック調。
 アップテンポな中、さまざまなメロディが現れては消えていくような序盤、高速なパッセージが連続する鬼神のような演奏から、一転してバラードへ。
 目まぐるしい展開が続きます。
 静かにもがくような音の流れの中から再び美しいバラードへ、そのまま静謐なムードのまま穏やかに幕。

 “The Köln Concert”などでは強かったクラシック色は薄く、全体通じて明るいフォークロックテイスト中心の演奏。
 アメリカンな音、アメリカのオーディエンスにフィットしたステージといえば、そうなのかもしれません。
 十分に素晴らしいソロピアノなのですが、正規アルバムほどの美メロ、ドラマチックな起承転結はありません。
 断片的とまでは言わないまでも、さまざまな展開が現れては消え、多くはまとまることなく変遷していく目まぐるしい構成。
 おそろしいほどにまとまっていた“Solo Concerts:Bremen/Lausanne” (1973)、“The Köln Concert”(Jan.24.1975)、“Sun Bear Concerts (Nov.1976)のステージは、特別だったのかもしれませんね。
 なお、音質があまりよくありません。
 全体を通じた明るい色合い、インプロビゼーションは絶好調期のそれなので、もし音がよければ公式アルバムとは別の色合いの人気アルバムになったのかも。
 ま、贅沢は言えませんが・・・

※こちらはMarch 26.1976のニューヨーク。


posted by H.A.