“The Struggle Continues” (1982) Dewey Redman
Dewey Redman (tenor saxophone)
Charles Eubanks (piano) Mark Helias (bass) Ed Blackwell (drums)
 
The Struggle Continues by Dewey Redman Quartet
Dewey Redman Quartet
ECM
デューイ レッドマン


 Dewey Redman、これまた唯一のECM作品。
 Keith Jarrettの共演は別レーベルで“Byablue”、”Bop-Be” (Oct.1976) 、ECMでは“Eyes of the Heart” (May.1976)まで。
 その後も”Old and New Dreams” (1979)、”Playing” (1980) Old and New DreamsでECMとはつながっていましたが、ECMでのリーダー作は本作のみ。
 Sam RiversあたりはECMに作品があっても違和感はない感じがするのですが、この人はちょっと違うような気がします。
 Keith Jarrett、Old and New Dreamsの作品ではカッコいい演奏を繰り広げていたわけですが、おそらくフリージャズ系でもブルージーなイメージが強いからでしょうか。たぶん。
 本作はフリージャズの色はなし。
 ブルージー&ジャジーな音楽を展開しています。
 冒頭からハードバップなテーマと4ビートジャズ。
 サックスソロはさすがに曲者ぶり全開ですが、フリーキーな音、妙な感じの音は使いません。
 サックスソロの際はピアノが手を止めて、Ornette Coleman的な空気が流れるのですが、ピアノが音を出し始めるとカッコいいモダンジャズに戻ります。
 ドラムソロを経て、テーマに戻ってエンディング。
 モダンジャズです。
 二曲目も長尺ながらバラード風。
 不思議感は少々ありますがとても優雅です。
 さらには8ビートのファンク風な曲にブルージーなブロウ。
 最後までそんな感じの端正なジャズ演奏が続きます。
 うーん・・・
 あの過激なDewey Redmanはどこに行ったのでしょう。
 全編カッコいいジャズの演奏です。
 ECMには似合いませんが。
 Dewey RedmanのECM制作も本作で終了。
 なかなかブラックアメリカンのサックス奏者とECMの縁は薄いようです。
 ジャケットは変化球のECMっぽくていい感じなのですが、クレジットを見るとプロデューサーはManfred Eicherではなく、ニューヨークでの録音でした。
 なるほど。




posted by H.A.