“Sun Ship” (Aug.1965) John Coltrane
John Coltrane (tenor saxophone)
McCoy Tyner (piano) Jimmy Garrison (bass) Elvin Jones (drums)
 
Sun Ship: the Complete Sessions
John Coltrane
Verve Select
ジョン・コルトレーン


 John Coltrane、スタジオ録音としては“Ascension” (Jun.1965)の次に当たる作品。
 しばらくお蔵入りしていたようで、リリースはColtraneの死後の1971年。
 “Transition” (May.Jun.1965)も本作も“First Meditations” (Sep.1965)も、ものすごくカッコいいハイテンションなジャズ。
 が、世には出ず、リリースされたのはPharoah Sandersを加えて録音された“Kulu Sé Mama” (Jun.Oct.1965)。
 Coltraneの中ではこの種の“A Love Supreme” (Dec.1964)的なハイテンションながら調性が取れたジャズは過去のものだったのでしょうか。
 本作も“Transition” (May.Jun.1965)に準ずる名演。
 繰り返し専旋回するような、あるいは違和感があるぐらいに繰り返されるシンプルなリフ、といった後のオリジナル曲のイメージが増えていますが、フリーキーなサックスはほどほど、ここまでのColtraneバンドと遠くないサウンド。
 むしろバンド全体が絶好調に聞こえます。
 フリーキーな音が飛んでも、落ち着くところ落ち着いていくような安心感のある展開。
 ドラムソロ状態の場面が多くともビートは崩れず、フロントの音に的確に反応するElvin Jonesに、後ろでしっかりとした背景を作るMcCoy Tynerのピアノ。
 後の激烈フリージャズに近づきつつあるのは確かですが、調性は崩しておらず、このバンドの超弩級にエキサイティングな演奏はまだまだ健在です。
 それを予定調和でつまらないと感じるか、このギリギリで踏み止まったようなバランス感覚、緊張感が最高にカッコいいと感じるか。
 私的にはこのくらいのバランスが一番いい感じ、カッコいいアルバムだと思います。




posted by H.A.