“Live at the Half Note: One Down, One Up” (Mar.26.May.7.1965) John Coltrane
John Coltrane (soprano, tenor saxophone)
McCoy Tyner (piano) Jimmy Garrison (bass) Elvin Jones (drums)
 
One Down One Up: Live at the Half Note
John Coltrane
Impulse Records
2005-10-11
ジョン・コルトレーン

 John Coltrane、激烈さが増してきた“The John Coltrane Quartet Plays” (Feb.17-18, (Mar.28.),May.17.1965) のレコーディングの間でのライブ録音。
 リリースは2005年ぐらいの未発表音源。
 ブートレグでは出回っていたのかもしれませんが、録音もまずまず良好です。
 あっちの世界に行ってしまいそうで行かない激しい演奏が続きます。
 ギリギリの・・・ってな感じでもなくてまだまだ激烈フリーまでとは距離のある調性の取れた音。
 McCoy Tyner以下のピアノトリオは激しさを増していますが、1960年代初頭と基本的には大きく変わっていないようにも思います。
 変わってきているのはJohn Coltrane。
 タイトル曲で一通りにソロを回した後、ピアノが抜けてベースが抜けて始まるElvin Jonesとの凄まじいDuo。
 10分を超えるいったいどこまで続くんだろうと思わせる長尺さ。
 決してフリーキーではなく、ビートも崩しませんが、“Live! at the Village Vanguard” (Nov.1961)、“Live at Birdland” (Oct.Nov.1963)と比べると、切迫感の強い音使いが増えてきています。
 吹いても吹いても吹き切れないもどかしさなのか、吹くことが心地よくて止められないのか、よくわかりませんが、全体のムード、後の作品のムードを考えると前者のように感じます。
 それにピッタリと寄り添うElvin Jonesも凄い人。
 “Afro Blueも” “Live at Birdland”よりもテンポが上がりハイテンション。
 果てしなく続いていきそうなソプラノサックスのソロの途中でアナウンスがかぶり、フェイドアウトされてしまうのが残念。
 さらに“The John Coltrane Quartet Plays”では全編ルバートのバラードだった“Song of Praise”が序盤からアップテンポで演奏され、フリーキーなテナーが大爆発。
 My Favorite Thingsは、意外にも“Selflessness” (Jul.1963)に近い、このライブの中では相対的にスッキリしたムード。
 やはり過渡期、方向を探っていた時期なのでしょう。
 次の録音は“Transition” (May26.Jun.10.1965) 。
 このライブはそれ、あるいは“The John Coltrane Quartet Plays” (Feb.17-18, (Mar.28.),May.17.1965)に近い、調整が取れた上での激烈ジャズ。
 次月には激烈フリーな“Ascension” (Jun.28.1965)となりますが、Coltraneの頭の中では既にその音が鳴っていいたのでしょう。
 それをやりたくて・・・が、まだ踏ん切りがつかなくて、あるいは方法論が見えていなくて・・・そんな感じでしょうか。
 本作とPharoah Sanders が参加した4か月後の“Live in Seattle” (Sep.30.1965)の違いが、迷いつつも激烈フリーに向けて進むColtraneのベクトルであり、その過渡期のドキュメント。




posted by H.A.