“A Love Supreme” (Dec.1964) John Coltrane
John Coltrane (tenor saxophone, vocals)
McCoy Tyner (piano) Jimmy Garrison (bass) Elvin Jones (drums)
 
Love Supreme
John Coltrane
Umvd Labels
ジョン・コルトレーン


 John Coltrane、大名作にして金字塔。
 好みはさておき、これがベスト、に異論はありません。
 普通にジャズな範囲で激しい系のジャズとして、古今東西の最高峰でもあるのでしょう。 
 抹香臭いとか、メッセージ性がどうのとかはさておき、素直にハイテンションなジャズとして最高。
 Coltraneもさることながら、Elvin Jonesとかずーっとドラムソロ状態だし、McCoy Tynerも激しい系の最高の演奏。
 前作に当たる“Crescent” (Apl.Jun.1964)は端正でハードボイルド、抑制されたジャズでしたが、本作は激しさと荘厳さが交錯する色合い。
 “Crescent”の「静」に対して、こちらは「動」。
 メロディというよりは、シンプルなリフをベースにして、エキサイティングでモーダルな演奏。
 全四曲、カルテットのメンバーを順にフィーチャーした楽曲とのこと。
 確かにそうなのですが、そうだったの?と思う、全編バンドが一体となった演奏。

 LPレコードA面、Part1.のゆったりとしたビートから始まり徐々に盛り上がっていくスタイルはここまでのアルバムと同様。
 終盤でドカーンと盛り上がって次のバラードでクールダウンするのが多くのパターンでしたが、終盤は厳かなムードの中、例のお題目。
 いつもとは違う、ただ事ではないムードが漂います。
 そんな雰囲気の中で始まるPart2.のシンプルながら切羽詰まったような緊張感の塊のようなリフがこのアルバムのハイライトのように思います。
 私にとってのColtraneのイメージは、このリフのムード、この曲の演奏。
 最初からドラムソロ状態で煽りまくるElvin Jonesと、ピアノの強烈な疾走感のソロと陶酔感を誘うコンピング。
 それらを背景にした、切羽詰まった心情の吐露のようなテナーサックス。
 これは何度聞いてもカッコいい。

 B面に移ってPart 3はElvin Jonesをフィーチャーした唯一のアップテンポ曲。
 Elvin Jonesがヒタヒタと、また、バシバシと叩きまくり、McCoy Tynerのピアノソロは何気ないところにカッコいいフレーズを連発。
 テナーサックスの激情ソロになると、いったい何人のドラマーが叩いているのかわからないような凄まじいドラム。
 そして、ベースソロに導かれて始まるPart4は全編ルバートでのスローバラード。
 止まりそうで止まらない、始まりそうで始まらないまま終わってしまう、が、例えようもなくドラマチックな演奏。
 これがMiles Davis “Bitches Brew” (Aug19-21,1969)の“Sanctuary”、 Keith Jarrett “Mysteries” (Dec.1975) の”Mysteries”、その他諸々、今日に至るまでのECMにたくさんある演奏・・・に繋がっている、ってなのは考えすぎでしょうか?
 緊迫感の強いシリアスジャズの代表作、激しく厳しいムードなのは確かですが、難解でもなんでもなく、全くジャズ。 
 これが気に入ればフツーのモダンジャズじゃない演奏にも突っ込んでいける分水嶺のようにも思います。 
 この作品ではまだ後の絶叫は聞かれませんが、激烈モードに入ってしまったColtrane。
 さらに激しさを増す“The John Coltrane Quartet Plays” (Feb.17-18, (Mar.28.),May.17.1965)へと続きます。




posted by H.A.