“John Coltrane and Johnny Hartman” (Mar.1963) John Coltrane, Johnny Hartman
John Coltrane (tenor saxophone) Johnny Hartman (vocals)
McCoy Tyner (piano) Jimmy Garrison (bass) Elvin Jones (drums)
 
John Coltrane & Johnny Hartman (Hybr)
John Coltrane
Impulse Records
ジョン・コルトレーン
ジョニー・ハートマン

 John ColtraneとJohnny Hartman によるこれまた優雅なジャズ。
 “Ballads” (Dec.1961,Sep.1962,Nov.1962)、“Duke Ellington & John Coltrane” (Sep.1962)と連なる静かな三部作はいずれ劣らぬ名演揃い。
 この二人がどういった関係で、誰が引き合わせたのかわわかりませんが、正に一期一会の名演。
 “Ballads”を聞いてJohnny Hartmanのボーカルに似ているな、あるいはピッタリ合うと考えたのかもしれません。
 そのくらい二人の”Voice”は似ていると思います。
 激烈でブリブリ吹くイメージの強いColtraneですが、バラードは別物。
 意識的にそうしているのか、自然体でそうなのかはわかりませんが、この期ぐらいまでのColtraneのバラードはむしろ女性的な優しい響き。
 高い音を中心にスッと音を出して、余計な音も使わない。
 ビブラートもサブトーンもなし。
 雑味なしの微かな艶のある「テノール」なサックスの響きと、テノールなのかバリトンなのわかりませんが、ビロードのような艶やかで優し気な生声が合わないわけはありません。
 癒しなのか、粋なのか、いやらしいのか、なんとも言えない、とにもかくにもスムースで上品な音の流れ。
 これをSonny Rollinsが吹いてしまうとサマにならないような気がするし、ボーカルがSarah Vaughanでどんな名唱だったとしてもこの質感は絶対に出せないでしょう。
 二人ともどんな別の名手が名演をしたとしてもこのムードは出せないように思います。
 こんなアルバムは他に知りません。
 少なくとも純粋モダンジャズの作品の中ではここまで上品で艶やかなボーカルアルバムは知りません。
 Johnny Hartmanの他のいくつかの作品も聞いてみたけど、このアルバムが基準になってしまうとちょっと・・・
 ひょっとしたらDuke Ellingtonのレコードとかにあるのでしょうかね?
 これをナイトキャップに使うのはなんだか抵抗があるけども、暖かな夜のムードにつつまれるような音。
 男性ボーカルものはほとんど(「全く」かもしれない)聞かない普通の男性ジャズマニアからしてもこの作品は特別。
 文句なしの名作ボーカルアルバム。




posted by H.A.