“Home” (2015) Søren Bebe 
Søren Bebe (Piano)
Kasper Tagel (Bass) Anders Mogensen (Drums)
 
 デンマークのピアニストSøren Bebeのトリオ作品。
 詳細な情報は持っていません。おそらく若手なのでしょう。
 とても静謐で穏やかな音。
 ほぼ全編漂うようなスローバラード。
 インティメートなんて言葉も似合いそうです。 
 ECMのTord Gustavsen諸作に近いイメージ。
 その哀感はそのままに、スッキリ、あっさりとした感じ。
 とても静かで悲しげですが、沈痛感、深刻感、陰鬱感ではなく、「寂寥感」ってな言葉がぴったり似合う音。 
 微妙なタメがあるような無いような、丁寧に音を置いていくようなピアノ。
 スケールからズレたような、ズレてないような微妙な音使い
 シンプルなようでもあるし、複雑なようでもある、不思議で静かなビート。
 派手な展開はないし、流麗というよりは訥々とした音の流れ。
 それでもすべてがメロディアス。
 テーマがあってインプロビゼーションするオーソドックスなスタイルだけど、その境目が曖昧に聞こえ、ずっとテーマが続いているようでもあるし、ずっとインプロビゼーションが続いているようでもあるし。
 フワフワと浮遊する夢見心地の時間が続く音の流れ。
 流れていると周囲の空気が浄化されるような、それでいて冷たくなくて、少々の湿り気を帯びたような心地よい空間、時間。
 どの曲も淡い色合い、強い浮遊感ですが、ワルツ系の数曲が、浮遊感が増幅されていて特にいい感じでしょうか。
 繰り返して聴いていると各曲のエッジが見えてくるタイプのアルバムだと思います。
 いい曲、いい演奏揃い。
 これだけ音数を弾かなくても何か伝わってくるようなピアノトリオアルバムは希少かもしれません。 
 いい感じのフレーズの流れに加えて、余白が多い分、いいんだろうなあ。 
 ECMから出ていてもよさそうな感じですが、ミキシングはRainbow Studio, Oslo。
 なるほど、そんな音です。
 ちょっとクラシック的な遠くで鳴ってる感が これまたいい感じ。
 今年の寂寥感度No.1、今年最大の掘り出し物、かな?
 “The Space Between” (2015) Medbøe/ Eriksen/Halleなんてのもありましたね。それは去年?
 ヨーロッパには日本には届いていないこの種の素敵な音がいっぱいあるのでしょうね。


 

posted by H.A.