“Decoy” (Jun.Jul.Sep.1983) Miles Davis
Miles Davis (trumpet, synthesizer)
Robert Irving III (synthesizer, synthesizer bass & drum programming) John Scofield (guitar) Darryl "The Munch" Jones (bass) Al Foster (drums)
Mino Cinelu (percussion)
Branford Marsalis, Bill Evans (soprano sax)
 
Decoy
Miles Davis
Sbme Special Mkts.
マイルス・デイビス


 Miles Davis、復帰直後からは音が変わって、ポップ色の強いファンク作品。
 “The Man with the Horn” (Jun.1980–May.1981)以来のRobert Irving IIIを迎え、John Scofieldと楽曲提供を分け合っています。
 Teo Maceroがプロデューサーから外れ、Miles Davis、Robert Irving III、甥のVincent Wilburnの三人がクレジットされています。
 Al Foster、Mino Cineluは残っていますが、ベースが現在はRolling StonesのDarryl Jonesに交代。
 ビート感がよりカッチリして、さらに高速なイメージに変わったように感じます。
 ちょっと変わったテイスト、勇ましい系で緊張感が高いながらもポップなファンクは、若い世代のRobert Irving IIIの色合いが強いサウンドなのでしょう。
 クラッピングなども所々に入ったディスコ(懐かしい!)っぽいビートもそこかしこに。
 Branford Marsalisが半数ほどに参加していますが、強い色を出すまでには至っていません。
 前半にRobert Irving IIIの楽曲、後半にJohn Scofieldの楽曲が集められ、後半はちょっとひねったジェットコースターのようなファンクやら妖し気でブルージーなムードやら。
 私の好みは後半ですが、CDで聞くとどうしても前半のイメージが強くなります。
 ここまでくると前作“Star People” (Aug.1982–Feb.1983)ではまだ残っていた、ジャズっぽさはすっかり薄くなってしまったように感じます。
 これが時代の音なのかもしれませんが、ジャズファンとしては複雑な心境。
 そんな古い感覚の人々は置き去りながら、さらにMilesは前進。
 次はさらにポップさが増幅、遊び心も満載の“You're Under Arrest” (Jan.1984-Jan.1985)へと続きます。